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永遠に…の傷跡 7

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約束の1時間の10分前看護師がユキの部屋にやってきて点滴を抜いてくれた。

  「酸素は直前までつけておくように、とエアカーの中では酸素ボンベ充てておくようにと
   言われました。この装置で30分くらい持ちます。」

そう言って部屋を出て行った。すでに他の準備は出来ていて荷物もまとまっている。
ユキのパジャマも黄土色のいかにもおばあちゃんが着そうなものでカーディガンはカーキ色で茶色の刺繍が入っている。太田はさすがに忍びないと思ったのか靴下はかわいらしいのを選んだ。ユキのセミロングの髪は後ろにひとつでまとめられこれを背負ったらまさしくどこぞのおばあちゃん?状態。

  「ユキさん、かわいそう…早く向こうに行って別のパジャマに着替えさせてあげて
   くださいよね!」

太田はそう言うと我ながらすごいセンスだと思いユキに似合いそうなパジャマを3セット買ってきていた。

5分前になった。まず真田と島が病室を出た。
少し間を置いて違うエレベーターでユキを背負った進と荷物を持った太田と南部が付き添う。
進は南部の眼鏡をかけていた。
先に戻ってきた太田情報でやはり裏口に報道陣は集中し表玄関には誰もいない、との事。
エレベーターの中で相原から到着の連絡をもらったがやはり報道関係者はいないと確認も取れた。ちょっと先に出発した真田と島がきっと裏口から出ようとしてるころだから表玄関にいた報道陣もそっちに行くに違いない。

ユキを背負った進が相原のエアカーに乗り込み太田と南部が乗ったと同時に扉を閉めた太田が乗ったと同時に荷物から酸素ボンベを取り出し進に渡すと進がユキの頭を膝に乗せて寝かせボンベを口元に当てた。その横で南部がブランケットを一枚ユキにかけた
 
  「ありがとう、相原、太田、南部。」

太田はにっこりわらった

  「いえいえ、そんなことよりユキさん大丈夫ですか?出発しますよ。」(相原)
  「苦しくなさそうですね。無事つけばいいですね。」(南部)

相原は進のOKを聞いてゆっくり病院から離れた

  「真田さんたちはうまく出られたかな?」(太田)
  「真田さんににらまれたら報道陣もしゃべられなくなるでしょう。だから真田さんに
   負傷してもらったんです。きっと織田たちは俺たちの動きをトレースしてるはず
   なんですよ。ところがヤマト降りてから寮に戻った形跡がない。まぁ寮と言っても
   地下都市の臨時であてがわれた部屋ですがね。そこの部屋に戻ってる様子が
   ないとわかれば探し出しますよね。で、古代、真田さんが戻ってない…」(南部)
  「どこにいるのか…怪しまれる…」(相原)
  「そしてユキさんも戻ってない…でもユキさんはヤマトが戻ってくるまで長官の元で
   生活してたからひょっとしたらまだ長官と一緒にいるかもしれない…と思ってるかもしれない
   だから真田さんと古代に扮した島を裏口から送り出した」(南部)
  「なるほど…」(相原)
  「山崎さんに転院したって連絡メールで入れておきましょうね。お見舞い行ったら
   全員いなかったって事になったらシャレにならないですからね。」(太田)
  「お、そうだな。山崎さんに探ってほしい事まだあるのにシカトされるのは困るしな」(南部)

太田は笑いながら“シカトだけならいいけどエンジンいじられたら困りますから”といいながらメールを送った
作品名:永遠に…の傷跡 7 作家名:kei