永遠に…の傷跡 7
南部の手配したホテルのロビーで佐渡は真田と島が到着するのを待っていた。
(そうじゃ、担当医がここにいたらおかしいぞい)
エレベーターホールには8基が向かいか合わせでエレベーターが並んでいた
(ユキ…熱が上がらなければいいが…)
エレベーターはあっという間に最上階へ着いた。スイートの扉は開いていたので“佐渡です”
と言いながら部屋に入ると中から看護師が二人出てきた。
「準備中かの、忙しいところ悪い。患者の担当医、佐渡じゃ。これからしばらく頼む。
普通ならそんな重症になる病気じゃないんじゃが…南部の父親が手配してくれた
人物じゃ…信用してよかろう?ここに来る人間の事は誰にも話さないと約束して
ほしい。」
佐渡は精一杯の気持ちを込めてそう言うと
「余り詳しい話は院長からもお聞きしておりませんが私たちは患者さんの事一番で
接していきますので何か至らないこととか在りましたら即申し付け下さい。申し遅れ
ましたが私、院長の元で20年働かせて頂いております婦長の山田、こちらが(右に
ならび)私の下で10年働いてくれている吉田と申します。佐渡先生の腕の事は
何度かお聞きしたことがございます。お会いできて光栄です。どうぞよろしくお願い
いたします。」
丁度そこへ院長と真田と島が入ってきて最後島が扉を閉めた
「先生、お待たせしました。全部追っては巻いてきました。先生はいつ付かれたんですか?」(島)
「ん?南部がタクシー呼んでくれてたからな…しばらくロビーにいたんじゃがわしが
お出迎えもおかしいじゃろ、と思ってさっきここへきたんじゃ。」(佐渡)
すると白髪交じりの少し痩せた背の高い男が前に出て
「佐渡先生、お目にかかれて恐縮です。院長の山下と申します。これからよろしくお願い
いたします。」
そう言うと佐渡に右手を出したので佐渡も“よろしく”と言って右手を握った