永遠に…の傷跡 7
ユキを寝かせると山田はそっと布団をかけてあげて前もって佐渡に支持されていた点滴をするために左手を取ったので
「すみません…点滴は右腕でお願いできますか?」
進がそう言ったので
「分かりました」
山田は素直に右側にセッティング直して点滴をした
(痛み止めを打ってばかりいて痛々しいあざだらけの腕を見られたくない…)
進は静かに眠るユキの顔を見つめた
やがて夜も更けて来たので院長の山下と看護師二人は帰って行った
「佐渡先生、今日も泊まりですか?」(南部)
「あぁ、ヤマトの乗組員はユキだけじゃないからのぉ…ここに付いていてやりたい気持ち
なんじゃが…山下君にも頼んだ手前わしがここにいたら彼もやりにくいじゃろ…
ナースコールは向こうの病院につながってるが…同時にわしにも知らせるんじゃぞ。」
そう言うと立ち上がり帰ろうとしたので島が“下まで送ります”と言って席を立った
「アナライザーも心配しとる…頼んだぞ…」
そう言って部屋を出て行った
「熱が上がらなかったのが良かった…熱が下がって落ち着けば鎮痛剤の方も少し減らして
起きてる時間を少しずつ増やして…食事が出来るようになれば寮に帰っても大丈夫なん
じゃが…山下君と相談して明日には鎮痛剤を半分にする、としてる。明日古代には
わしから伝えるから…」
佐渡も孫娘を手放す心境なんだろう…
「分かりました。古代には黙っておきます。佐渡先生もちゃんと食べて下さいね。先生が
倒れたら俺たち困りますから。」
「そうじゃのぉ…ヤマト降りてから一杯も飲んでないのぉ…」
「佐渡先生にしてみたらとても不健康ですね。酒は百薬の長…がモットーですもんね。」
「そうじゃ…はよぅユキがよくなって…英雄の丘で一杯やりたいもんじゃ…」
表のロビーにはタクシーが待機している佐渡はそれに乗り込むと
「じゃぁ…頼むな…」
そう言ってさみしそうに小さな背中を更にちいさく丸めながら帰って行った