永遠に…の傷跡 8
南部の一言で少し沈黙があったが
「…実は私もユキさんのこと気がかりなんです。」
南部は意を決したように言った。すると織田は身を乗り出して
「そうかね、例えば?」
「私にすると上官に当たるので余り言いたくないのですが艦長代理はこう…ユキさんの
事を大事にしてる様子が見当たらないのです。時々ユキさんもそれをさみしいと思う
のか私や島航海長にそれとな愚痴をきいてあげたりしてるんですが…
艦長代理はあの通りの人ですからね。仕方ないと思ってる節がありまして…ユキさん
ぐらいだったらどんな人でもすぐ虜にできるのになぁって思っちゃうんですよ。
今回はヤマトに乗り込む事が出来なくて…それは心配してましたけど淡々と業務を
こなしてる感じで行くとユキさんが乗っていないことに関して余り関係ないかな?って
思ってしまうぐらいだったんですよ。」
(殴らないでくれぇ~←南部の心の声)
「そうかそうか」(かわいそうに、と言う顔をして心はシメシメ…という感じ)
「でもさすがに生きてる、とわかった時はうれしそうでしたよ。」
「君は本当に森君のいるところ知らないのかね?」(織田)
(同じ空気吸ってるよ!と言いたいところだが)
「えぇ…知らないんですよ。本当に」(南部)
「いや、病院にいるのでは?という噂を聞いて調べたのだがいたのは真田君と古代で
今日転院した様子だし…いや、もし病院にいるって事だったら…これはあくまでも私の
推測だが妊娠して中絶かなんかして経過でも見てるんじゃないかと…!」(織田)
織田は一瞬ぞっとする気配を感じた。それは南部の発したオーラだったかもしれない。南部は怒りをなんとか鎮めながら顔に出さないように話を続けた
「もしそれが本当だとしたら…とんでもない事だろう?ただ普通に考えて捕虜と言うことは
それなりの辱めを受けている可能性の方が多いのだ。そう考えると妊娠してる可能性も
ゼロとは言い切れないと思うのだがきみはどう思うかね?」(織田)
「…なんとも言えませんが…もし織田さんの考えが本当だとするととんでもないことだと
思います。でも本当かどうか確認もしないで先走っちゃいけないと思いますよ」(南部)
「だから確認したくて森君の行方を捜しているのだが…見つからないのだよ。そこで
君に森くんの捜索と噂の真実、古代とどうなっているのか調べてもらいたいのだ。
もちろん報酬はする。次のヤマトの航海で戦闘班長の位を約束しよう。軍にいれば
ヤマトの戦闘班長と言うのはお金以上の価値があると思うのだがどうかね?」(織田)
「…いえ、私は班長の器ではありませんので…(マジ殺される!)」(南部)
「そうかね?いや君は古代の右腕だろう?それなりの部署を用意しないといかんと思う
のだがどうかね?」(織田)
「いえ…今これと言って特にほしいものもないですし(しつこいなぁ)それに織田さんに
そんな権限あるんですか?」(南部)
「まぁ今は無理だがこの先はわからないだろう?とりあえず今後何かわかった事が
あったら私に直接連絡してほしい。くれぐれも通信機を使わんようにな。」(織田)