永遠に…の傷跡 8
ユキは夢の中にいた
暑い…暑い…暑い…
ユキは必死になれない掘削作業をしていた。手にはマメが出来てつぶれた跡が出来たがみんな同じ状態だったので痛いなんて言っていられない状態だった。機械が使えるからまだこれで済んでるけどスコップ一つで手伝ってる人だっていた。甘えていてはいけない…ユキはそう自分に言い聞かせた
今まで空調の利いたところにしかいなかった自分がどれだけ贅沢をしてきたのか
よくわかるわ…みんなに負けていられない…頑張らないと…
ふとユキは意識が遠のくのを感じた
貧血かな…古代君が帰って来たら少し鍛えなおさないと…ジムでも通おうかしら
ユキは出来るだけ今の事を考えないようにした。明日はまたこうして作業できるかわからない…
……あ…………冷たい………誰?………気持ちいい……
ユキの熱は下がる気配がなかった。時折つらそうな表情を浮かべるユキに真田はバスルームにあったハンドタオルを濡らしそっとユキの額を拭いてやった。するとつらそうな表情が一瞬穏やかになるような気がしたのだ
「ユキ…辛いか?がんばれ。この熱が下がればきっと大丈夫だ。もう辛いのも終わる
頑張れ…」
真田は熱いユキの左手を握り聞こえないだろうと思いながらも話し続けた
「みんななぁユキのために一生懸命知恵を絞ってがんばってる。俺には何もできん。
古代もさすがに参ってきてるようだ。本当にユキがいないと駄目なやつだな。
ユキ、お前教育失敗したんじゃないか?」
ユキの閉じた眼から一筋の涙がこぼれた
一瞬目の前が真っ暗になった、とその瞬間ユキの右腕がガクンとなり誰かがつかんでる
のがわかった
(………誰?………)
大柄な男の人…そう思いながらユキの意識は遠くなった
ふと目覚めると作業してる穴の入口付近だった
「あんた、ヤマトの森雪だろう?」
男はぶしつけに言ったがその言葉に悪意は感じられなかった