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永遠に…の傷跡 10

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  「斉藤の手前森さんは守らないといけないと、そう思いながら決死隊を組んで重核子爆弾に
   のりこみました。でもそれからはお互い姿を見ていないので…ただヤマトが無事帰って来る
   と聞いたとき‘これで森さんゆっくり休める’って思ったんですよ。その矢先にあの噂…
   絶対あの人に限ってありえない、って思ったんです。俺はその噂を聞くたびに違うと
   そう言い続けて来ましたがある日雑談中‘お前が知ってるのは敵の将校から逃げ出した
   後だろ?それじゃわからないじゃないか’って言われて…喉元過ぎたら…じゃないけど
   どれだけ森さんが大変な思いして戦ったのか…って思うと悔しくて…」(泉)
  「…そうでしたか…」(南部)
  「…我々もあの噂を故意に流した人間がいると思って調べています。でもこれはわれわれの
   仕事です。ヤツらは泉さんがユキと一緒にいたことを面白おかしく活字にすると思います。
   だから先に話を伺っておこうと思いました。」(真田)

泉は驚いた顔をした

  「…おれはそんな大それたことしてねぇぞ!」(泉)
  「…それは今までの話を聞いて我々は泉さんを信じます。斉藤が信じた男だ…俺も信じる
   事が出来る…泉さん…斉藤は…」

不意に真田が声を詰まらせた

  「…失礼した…感情的になってしまってすまない…ユキは今政府の目の届かないところで
   治療してる。状態が落ち着いたら会えるようします。」(真田)
  「…森さんと会っていいのかい?」(泉)
  「…きっと…古代も会いたいって言うだろう。で、今後だが恐らく泉さんに尾行まで行かなて
   も何かしら軍上部の接触があると思う。」(真田)
  「私はどうしたら…」(泉)
  「恐らく直接ユキの事聞いてきたりしないと思います。事実でないことをさも事実のように活字
   にする連中です。言葉尻から変に勘ぐるかもしれません。普通に話して下さい。我々は
   相手がどう出てきてもユキを守りますから」(真田)

ふと泉が笑った

  「すみません、不謹慎にも笑ってしまって…森さんは幸せなんだなぁって思って…あんな
   噂たてられて………でも森さんはそれだけ守られる価値のある人だって知ってますから…
   斉藤がちょっかい出せなかったのがわかる気がするよ。私の部下にはきちんと話して
   おきます。このことで何か言われてもすべて泉から聞けと…」(泉)
  「…よろしくおねがいします」(真田)
  「何かあったら伊藤さんに連絡してください。私たちが直接連絡取ると目立つので…あと
   ここへ来る時はちょっと迂回して裏口から入るようにしてください。誰が監視してるのか
   わからないので…それと今日は急だったので…軍服もちょっとまずいので次からは私服で
   お願いします。」(南部)
  「了解しました」

泉はそう言うと敬礼して立ち上がり一礼して部屋を出て行った
作品名:永遠に…の傷跡 10 作家名:kei