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永遠に…の傷跡 10

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  「斉藤…お前はヤマトの立派な乗組員だった…他の連中も一緒だ…これが落ち着いたら
   お前の好きな銘柄の酒を持って英雄の丘に行こう…」

真田がそう言うと島も南部、太田に相原もうなずいた

そこに相原の携帯が鳴った。番号は見たことないものだったが警戒しながら相原は電話に出た
“相原です”と言う前にすでに会話は始まっていた相原の様子がおかしかったのでみんなが
‘どうした?’と聞いてきたのでそれを右手で抑え電話の声に耳を傾けた

どうも話してる一人が泉っぽい…するともう一人は織田なのか…それとも織田が送り込んだ人間なのか…
真田はその様子を見て自分の端末を立ち上げると相原の電話をつなぎ録音できるようにした

  <…ですからお話聞きたいんですよ。>
  <<何も話すことないです。森さんとは一緒にパルチザンで戦った仲間ですよ>>

  「…泉さんの声に間違いないな」

真田が南部に確認するような視線を送ると南部は黙ってうなずいた

  「うまく携帯使ってくれましたね…きっと伊藤さんが相原の番号教えたんですね」

相原はすでにどこで会ってるのか確認作業に入っていた

  <知ってるんですよ、森雪さんといい仲だって…もっぱらの噂ですし…火のないところに
   煙は出ないっていうでしょう?>
  <<…だからそんなんじゃないって言ってるじゃないですか。森さんは婚約者がいるんだろ?
   そんな噂たてられたら相手だってかわいそうじゃないか。>>
  <あれ?ご存じないんですか?あの二人はもう別れてますよ。きっと婚約者の古代も愛想
   つかせたんでしょ?そりゃそうだと思うよ敵将といい仲になって…で、アンタと…まぁよかった
   でしょう?アンタもさ。いい思い出来て(ククク・・・)どう?よかった?うまかった?>

みんな握りこぶし作りながら聞いていた…この声は織田ではない…きっと織田はどこかの記者を雇い泉に接触してきたんだ

  <…おっと…俺は民間人だからね…殴ったりしたら…どうなるかわかってるのかなぁ!
   空間騎兵隊の拳は殺傷能力がある武器だからね…>

男のふざけた…しかししたたかな話し方が癪に障る

  <<…人を馬鹿にした言い方もいい加減にしろ!俺は森さんと一緒にパルチザンとして行動
   してただけだ。俺の部下も一緒だ。文句あるか?>>
  <…そりゃびっくりだ!泉さんだけじゃなくて部下までそんなおいしい思いしたんですか?
   俺もパルチザンに入って森さんにお願いしてみればよかったな!>
  <<てめぇ……>>
  <…おっと…民間人、民間人…それにここは一般の飲食店ですからね…いい話が聞けたので
   ここは私がお支払いします…それでは…>

男がテーブルの清算ボタンを押したのか機械音がしてマネーチップを通す音がした

  <帰ったら早速記事にします。>
  <<偽証罪で訴えてやるから覚悟しておけよ>>

男が立ち上がったのかイスをずらすような音がした後

  <…そんなことしても無駄さ。それに…そんなことしたらお前はつぶされるぜ。>

そう言うと高笑いを残して店を出た様子だった
作品名:永遠に…の傷跡 10 作家名:kei