永遠に…の傷後 11
<これ以上うちに後藤をいじめないでくれないかな>
「あんたは?」
<私か…名乗らないとだめかね?>
「そうですね…〇▽新聞の後藤さん、と身元が分かってたから電話したんで…私も今の仕事
手放したくないんですよ。一番いい仕事してるのでね(これは本心)」
<失礼ですが?>
「人に聞くときは自分で先に名乗るべきでしょう?」
山崎も負けていない。その時男が画面に映った。自分のいつもの携帯と違うのでハンズフリーにした時に画面ONボタンも押してしまったのだ。向こうはそれに気付く様子もなく話を続けて来た
<もう一度連絡する。この電話は後藤のだからな!>
そう言って電話は切れた。山崎は電話が切れたのを確認して
「…顔…出ちゃいましたね…思いきり軍服でしたよ…不用心な方だ…あれは織田さんの右腕と
言われてる中島さんでしょう…。」(山崎)
「中島?」(相原)
「宇宙戦士防衛大学の学長の息子ですよ。」(山崎)
「よくご存知ですね」(島)
「実は同期でして…あまり出来のいい息子じゃなかったですよ。お兄さんの出来が良すぎて…
だからお兄さんは早々に戦死…出来の悪い弟は戦艦に乗れなかったから生きてる…でも
計算だけはよく出来た男でね…きっとそのあたりを織田に見込まれたんでしょう。」(山崎)
「どうします?真田さん」(島)
真田はどう出るか考えていた。
「…中島…中島…っと…中島隆治…ありますねぇ~」
南部がちょっとふざけた声でつぶやく
「ほら、ここ。例の方舟作戦の時のリストですよ。織田自ら艦長として乗り込もうとしていた…
肩書き見ると…管理担当…何を管理するのか記載されていませんが…まぁなんとなく様子は
わかりますよね。」
南部が持ってきた資料をみんなで見る
「織田はやはり新地球防衛軍の組織の基盤を作ってるんだ。それにはヤマトが邪魔だから
長官を失脚させて俺たちも葬ろうとしてるんだ。…でも南部は次期戦闘班長だろ?」
そう言って島がニヤっとわらった
「勘弁して下さいよ、織田の指揮で戦艦なんか乗り込んだら死亡率100%ですよ。絶対に
乗りません!誰が何と言おうと乗りません!」(南部)
余りにもすごい否定のし方だったので一同笑った
作品名:永遠に…の傷後 11 作家名:kei