永遠に…の傷跡 12
「ユキ…我慢しなくていいんだよ。もう戦いは終わったんだ…泣きたい時は泣けばいい」
進はそう言うと布団をそっとおろした。そこには涙を流してるユキがいた
「ユキはいま宇宙戦士としての森雪じゃない…普通のどこにでもいる女の人なんだよ。
だから我慢しないでさ…辛かったら辛いって俺に言って。何が辛いかまで言わなくていい
から…そうやって陰で泣かれるのって結構俺としても辛いんだぞ?もし後から島とかに
ばれてみろ~すっげぇ責められるんだからな!(かなり小声)」
進は右手で小さい子に言い聞かせるようにユキの頭をいい子いい子して左手でユキの左手を握った
「最初の航海でちょっとユキとケンカしたってだけで周りからすっげぇ責められてさ…俺マジで
すねちゃったもんな…まぁ俺もまだおこちゃまだったんだけど…(かなり小声)…てな訳で
泣くときはちゃんと俺の前で泣いてください。(更に小声で)」
ユキは泣きながらうなずいた。進がタオルでユキの涙を拭く
「俺…看病ってされる側だっただろ?少しユキの気持ちがわかった気がするんだ。自分の
無力さ、とか…。今までどれだけ心配かけて来たんだろうって…でも…危険なところに
行くのが俺の仕事だし…怪我しないように訓練してるけど…」
進はいい子いい子してた右手もユキの左手に添えて
「心配してくれる人がいるって…こうして戻ってきて笑ってくれる人がいるって幸せだなって
思うんだ…」
「…ごめんなさい…」
ユキは自分の事ばかり考えていて進の気持ちを考えていなかったことに気がついた
「ユキが謝ることじゃないよ。人間急に頭の中方向転換出来ないって。それにユキはもっと
わがままになっていいって言ったじゃないか…まぁ寝ないのは良くないけど…ね!」
進はそう言って笑った。
「眠たくなったら眠ればいい…ここにいるから…」
ユキはたまらなく幸せな気持ちになった
作品名:永遠に…の傷跡 12 作家名:kei