永遠に…の傷跡 12
島がシャワー室に入り真田が次シャワー室使おうと支度を整えていると真田の携帯が鳴った。
番号を見ると南部だった。真田は端末を録画、録音できるようセッティングしながら携帯の通話ボタンを押した
「…記事…出ますよ…森さんの第二のスキャンダルが…」(織田)
「…それはいつ頃の予定ですか?」(南部)
南部は原案の記事を読みながら聞いた
「今度のさ、新聞じゃなくて週刊誌に載せようと思ってるんだ。で、前回のほんのちょっとの
部分的なスキャンダルもその記事に併せて続編って形で載せようって思ってる。実際活字媒体
になるのは二週間後かな。」(織田)
「そうですか…(最低でも3日で何とか出版社にストップ掛けないと…)みんな驚くでしょうね」
南部は原案をじっくり読んだ。泉が否定したことすべてが肯定と言う形で載っている。そしてやはり監視していたのだろう、進がユキの元へ行き別れを告げた日の事もまさしく尾行していました、と言うように時間も記載されていた
「よく調べましたね…」
南部がため息交じりに言う
「ははは、これで古代ももう終わりでしょう。これからはあなたの時代ですよ!そうそう、これで
きっと長官は失脚するだろう。淫らな秘書と一緒だったとなれば一度や二度長官だって
お世話になってるに違いない…。
南部さん、もう少しでヤマトの戦闘班長の席もあなたのもの!他に希望することがあれば
なんなりと申し付け下さい。あなたに協力してもらって…それが大事な記事の一部にもなって
いる。」(織田)
(後戻りはできないって言ってるんだろうな)
南部は少し考えて
「…本当にこれ全部事実ですか?私には本当の事を教えてください。私にはユキさんがこれだけの
事をするって信じられないんですよ…一時はそうかもしれないと思いましたが…ユキさんも
護身術を身に付けていて戦闘能力だって普通のクルー以上の力があるはず…この話を
証言した人間と私は会いたい。」
そう織田に詰め寄った。織田も今までと違う南部に戸惑い
「…それは…後藤という人がもと複数のパルチザン兵からの聞き込みを元にした記事だ。
間違いないだろう。そのパルチザンが本当に在籍していたかどうかそれはうちの中島が
調べてチェック済みだ。
彼らは本当によく戦ってくれた。ヤマトと時を同じくして場所は違えど一緒に地球を救った
私は彼らに感謝しているし森君の活躍も感謝してる。しかしそれを色仕掛けとなればまた
それは違う話で…まぁ女性は女性の武器があるから…我々にマネ出来ないからな…
森君はご両親も何とかご無事のようだししばらく実家にもどってゆっくりされればいい。
古代は…残念ながら婚約者によって左遷となる可能性があるな。まぁ太陽系どこにでも
基地はあるから…長官には引退してもらって…」
織田は記事が出た後の人事の話を始めた。
作品名:永遠に…の傷跡 12 作家名:kei