永遠に…の傷跡 12
「でも織田さんが次期長官って決まったわけじゃないんですよね?そしたらヤマトの戦闘班長だって
私のものになるとは限らないですよね。本当に大丈夫なんですか?」
南部がとぼけて尋ねると
「…大丈夫だ。次回の長官は間違いなく私だ。すでに裏に手を回していて選任後地球連邦の
大統領に申し伝えれば済む事だ。」
織田はふんぞり返ってそう言った
「…以前ヤマトはノアの方舟計画に則って私が艦長で出港する予定だった。それをあの古代が…
正確には古代と島が私の計画を根底からひっくり返してしまった。あれがなければ今頃…
息…あ、いや…あの通信カプセルで…イスカンダルの使者が来た時点ですべて変わって
しまった…」(織田)
「しかしあの戦いがあったから今があるんですよ。あなたは何がしたいのですか?そこまでして
ヤマトの関係者を陥れてどうしようって言うんですか?」(南部)
「ヤマト?私にはどうでもいい事だ。すべてはこの記事が出れば始まる。森君のその美しい
笑顔の裏にあるものをみんなに見せつけてやるんだ!」(織田)
「…ユキさんは…裏なんてない…あのままの人なんだ。曲った事が嫌いで…戦って血を流して
いれば敵味方、分けへだてなく手を差し伸べる、そんな人なんだ!だからあのデスラーで
すら…」(南部)
「フフン、君達は所詮ヤマトの中の森君しか知らんのだよ。いいか、森君はあちらこちらで愛想を
振りまいてさんざん相手を振り回し最後切り捨ててしまうんだ。そういう女なんだよ」(織田)
「だから…これは天罰なんだ…いろんな男の天罰なんだ!思い知るがいい…」(織田)
織田はそう言って席を立つと暗くいやな笑いを残し801の部屋を出て行った
作品名:永遠に…の傷跡 12 作家名:kei