永遠に…の傷跡 12
南部がフロントと連絡をとり701の部屋のセッティングを大至急済ませ盗聴録画どちらもできる状態になってしばらくすると太田と山崎が後藤と嫌がる中島を連れて部屋に入ってきた
「どうぞこちらに…」
山崎が801の半分の部屋…普通のホテル…ベッドが二つ並んでいる部屋に入りお互いベッドにひとりずつ座りしばらく無言で過ごした
「太田、二人に着替えてもらえ」
山崎がそう言うと太田がバスローブを二枚持ってきた
「…シャツと下着一枚になって…それを羽織って下さい。」
二人の服を太田が受け取るとそのままドアの外へ放りだした。後藤も中島も何も言わずそれを見ながら再びベッドに座った。そして山崎が口を開いた
「…中島…後藤さんに頼んで何をしようとしたのか教えてくれ。」(山崎)
「まさか山崎が絡んでるとは…そうだな、お前ヤマトに乗り込んでたもんな。そうか森雪とも
同僚になるのか。…後藤はな俺の学生時代の親友だ。なかなか記事がないって言うから
ちょっとしたゴシップネタ流してやったんだ。そしたら大当たりだぜ?!お前ヤマトに乗ってて
森雪とどう?寝た?」
中島はさも面白そうに聞いてきた
「…そっちのちょっと…若いやつ…ヤマトに乗り込んでた森雪ってどうよ、ヤマトの中でも古代と
よろしくやってたんじゃないの?意外とヤマトの中で堕ろしてたりして!医者目指してたんだ
失敗しないと思うけどな!」(中島)
進はそれを横で聞いていて701へ行って殴りたい感情に負けそうになったが島がそれを察して進の肩をポンポンと叩いた
「…あの…どうしてそんなにユキさんに固着するのかわからないんですが…」
太田はそうすっとぼけた返事を返した
「はぁ?お前ホモじゃねぇの?」
中島は太田を見ながらそう叫ぶと
「いくら払ってもいいから森雪と寝たいってやつはごまんといるんだよ。女なんてなちょっと強がっ
たって所詮女だからよ、痛いところつけばそこにはいられなくなるわけ。そうすると女神さんを
射止めようって男にはさ、嬉しい話だろう?」(中島)
「俺はその手伝いをしただけ。シナリオくれたから俺はそれを演出してやっただけのことさ。
あんたたちひょっとして泉さんの知り合い?」(後藤)
「直接顔を見たわけではないがある人を介しての知り合いだ」(山崎)
「じゃぁ伝えてくれ。あんたには悪いことしたと思ってる。だから実名は出してない。まぁみんな
実名じゃ出てないがな。泉さんはイニシャルも出してない。それが俺の一番の配慮した所
だな。俺の小さな良心さ。…俺はこの中島しかしらねぇよ。」(後藤)
「じゃぁこれから出る記事もすべて…」(山崎)
「あぁそうさ、中島先生のシナリオさ。」(後藤)
一瞬中島がヤバイという顔をした
「でももう印刷業者に入ってるぜ?止められないかもしれないぜ?どうするよ、おっさん」
後藤がしてやったり、という顔をした時中島も同じ顔をした
「…中島、お前は誰に頼まれた?お前はこの記事が出た後どうするつもりなんだ?」
山崎が中島に聞いた
「…俺か?そうだな、俺はお前と違って訓練学校でも下の方だった。防衛軍に入って防衛体制の
案を出すがそれが立案計画に乗ることもなかった。あんなにつらい思いをしたのに戦艦にも
乗れない…俺って使えねぇ、って思ってたんだ。ただ俺の親父が当時参謀だったから無能な
俺でも防衛軍の隅にいさせてくれてたんだろうな。俺はいつの間にか庶務の仕事をするように
なっていた。」
作品名:永遠に…の傷跡 12 作家名:kei