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永遠に…の傷跡 13

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山崎は静かに801へ入って行った。

  「…織田さん、観念した方がいいですよ。」

突然後ろから声をかけられて織田は胸倉つかまれたままビクっとした。南部は山崎の姿を見ると一気に冷静になったようで織田を掴んでいた右手をパっと離した。織田はテーブルに足をぶつけながら苦しかったのか咳をしながらうずくまった

  「…全て…調べ上げました。」

ユキの部屋に島と太田が戻ってきた。

  「もちろん南部も…私たちの仲間です。あなたの部下はこのホテルで待機してもらっています。
   織田さん…南部の言葉を借りればあなたの野心…二つ…一つは長官の椅子…それと息子の
   お嫁さんに、とユキさん…。あなたほとぼりが冷めたら息子とユキさんお見合いさせるつもり
   だったでしょう…。」(山崎)

今まで下を向いていた織田の顔が山崎に向かった

  「…なぜ…それを…」(織田)
  「息子さんとユキさんは同じ小学校だった…まぁ息子さんにしてみたら淡い初恋、だったんで
   しょうかねぇ…それがお父さんと同じ軍にいる、となれば何とかしてやりたいのが親心…で 
   すか?いくら子供が大事でも人に人生狂わせてまで息子の人生取るっておかしいでょ?
   それは人間として私も許せません」

山崎が今までにない厳しい口調になった

  「私も娘のように可愛がった乗組員を失いました。幼い頃から面倒みて…親代わりの人間が
   忙しい時は一緒に寝てあげたりしました。自分の事より人の事を優先する子で…最期地球の
   為に本当に命をかけて戦いました。そのおかげでヤマトは還って来られました。あなたには
   自分の人生を削ってまで守るものないでしょう?そんな人間は防衛軍にいらない。私たちは
   ただ地球を守りたい一心で戦ってきました…家族以上に信頼してる部分がある。そんな
   家族の一員をこんな形で…織田さんは息子がユキさんの立場に立ったらどうしますか?
   身に覚えのない事でなんやかんや言われて傷ついて…」

山崎の言葉が詰まると南部が言葉をつなげた

  「認めなよ…全てウソでした、自分が作って演出しました、って…。ユキさんはパルチザンで
   必死に働いて解体書を探し出し解体したって…地球は森雪によって救われました…てよ!
   同じ地球人でくだらねぇ事で争ってる場合じゃねぇんだよ!」
作品名:永遠に…の傷跡 13 作家名:kei