永遠に…の傷跡 14
進は一度大きな深呼吸をした
「斉藤は…最初はとんでもないやつを乗せてしまった、と後悔したんだ…でも一度も俺たちは
敗北という文字を知らないままだから斉藤の気持ちがわからなかっただけだった…その
気持に気付いた時空間騎兵隊は勇ましく戦って…最後都市帝国に乗り込んだ時はもう
数名しか残っていなかった。それでも斉藤は行く、と言ってくれた。俺たちは一緒に都市帝国の
内部に侵入した。俺たちは都市帝国の内部に侵入し動力室の破壊を目標にしていた
途中一人減り、二人減り…で真田さんも途中まで一緒だったんだが足をやられて俺と斉藤が
動力室にたどり着いたんだ。そしたら斉藤は“俺が行く、お前は真田さんをひろってヤマトに
戻れ”と言ったんだ。動力室へ飛び込んだら最後絶対戻れない場所だった…」
進はここまで一気に話すと
「“年下だけど…兄貴のようだった”と言って…それからすぐ斉藤はドーム状になった一本橋の
ようになってる先にある動力炉へ向かって一直線に走って行った…向こうにたどり着いたのを
見て…俺は…」
進の目から涙がポロポロ落ちる
「…斉藤は本来なら俺がやるべき仕事をしてくれたんだ…」(真田)
真田がつぶやいた
「俺の不注意で被弾したばかりに…」(真田)
「それから…俺は…斉藤に背を向けて走って走って…真田さんを連れてヤマトに戻ることが
できたんだ…斉藤達は…空間騎兵隊は本来戦艦乗りじゃないのに…こんな戦いに巻きこま
れて…全滅してしまった…俺のせいで…」(進)
「斉藤は…本当に大事な任務を全うしたんだな…誰にもできない仕事をしたんだな。」
作品名:永遠に…の傷跡 14 作家名:kei