永遠に…の傷跡 14
それからしばらくして進と真田を除く全員が一度帰ると言って戻って行った。
ユキはそれから残っていた薄めたリンゴジュースをゆっくり飲んだ。
11時半ごろ前以て南部が頼んでおいてくれた三分粥が部屋に届けられた
「ユキ、大丈夫か?主湯から一気に三分粥まで飛んで…ゆっくり慣らした方がよかったんじゃ
ないか?」
進の心配をよそに
「だってそんなことしてたらいつまでたってもこの点滴が外れないじゃない?先生来たら
シャワーOKか聞きたいし…もう何日もお風呂入ってないのよ?もう恥ずかしいわ…」
ユキはそこに真田もいたので恥ずかしくなってしまった
「なぁんだフロなんて元気になったら入ればいいじゃないか。誰も気にしないよ。」
進がいつもの調子で言うので真田はくすくす笑っていたが進は気が付かない
「もう、本当に古代くんってわからない人ねぇ!」
「だぁってしょうがないだろう?フロに入って雑菌が入ったらどうするんだよ?それこそ一大事
じゃないか」
「あのねぇ私を誰だと思ってるの?元看護師よ?それぐらいわかるわよ!第一それって私が
古代くんがあっちこっち縫って包帯グルグルの時言ってた言葉じゃない!私がどんだけ
心配して言ってたかわかんないでしょ?縫ったばっかりでさんざん動きまくって汗かいて
傷口開いてバイ菌入っちゃって這いつくばって医務室に来たの忘れちゃったんじゃない?
しょうがなくもう一度縫い直したって事あったわよね…次同じ事したら麻酔なしで縫ってあげる
わよ…」
二人の会話を聞いていてちょっとゾクっとした真田
「うわ、出た!鬼看護師!!」
「なぁんですってぇ?……いたたたたたたた……」
ユキが急に痛がったので進は慌てて
「ほら…おとなしくしないからだろ?まったく…とりあえずお粥食べて少し寝ろよ」
進はそう言うと届いたお粥をユキのベッドサイドに置いた
「…お前たちって笑っちゃうなぁ」
真田の一言におかゆを食べようとしたユキは止まってしまった
「いや、ユキ、ゆっくり食べてくれ。ククク…」
真田は意味深な笑いを残し別の部屋に行ってしまった
(ヤマトの艦長代理<生活班長って正解だな…)
作品名:永遠に…の傷跡 14 作家名:kei