永遠に…の傷跡 15
「ありがとう…古代くん…」
進は左手でユキの頭をクシュクシュとなでると
「リンゴジュースでも飲むか?」
そう言ってミニキッチンに向って行った
真田は少し離れた所から二人の会話を聞いていた
ユキの想い、進の想い…そして叶わぬ恋をした澪の想い…
(澪…辛い恋だったかもしれないが…いい恋だったんだな…)
真田はひとり寂しく泣いていたが
(お義父様泣かないで…私は今とっても嬉しいの…ユキさんとおじ様をお願いね。おじ様が
ユキさんを泣かせないようにちゃんと見張っててね)
そう声がしたような気がした
(…気がしたんじゃないな…きっとサーシァはここにいるんだね。大丈夫だよ、俺じゃなくても
これだけみんなの目が光ってるんだ。)
真田はそっと涙を拭くと端末に向かい自分で重核子爆弾の情報を集め始めた
しばらくすると夜の回診で院長の山下と看護師の吉田がやってきた
作品名:永遠に…の傷跡 15 作家名:kei