永遠に…の傷跡 15
ユキはおいしそうにたまご粥をゆっくり食べて山崎夫人の作った野菜スープを飲んだ
「…おいしい…やさしい味がする…」
ユキはひとくちづつ味わうように食べた
「真田さんと古代くんも先生の差し入れ頂いたら?私はひとりで大丈夫だから…」
(古代くん私のところばっかりいたら真田さんさみしがっちゃうじゃない…)
進もユキの気持ちを汲んで
「真田さん、じゃぁ向こうでいただきましょうか。」
そう言ってユキのベッドサイドから離れて別の部屋で差し入れを食べることにした
「真田さんも南部の保養所行くんですよね?」(古代)
「若いやつには悪いがな…今回は山崎さんも行くって聞いてるし」(真田)
「何言ってるんですか!まぁ考えてみたらヤマト以外で全員のメンツがプライベートで揃う
ってなかなかないですからね。地球に全員いることが珍しい事になりますからね」(古代)
「…そうだな。古代に南部はほとんど地球にいないしな…まぁ今回はしばらく外(地球外)で
の勤務はそうないと思うぞ。なんてったってそこまで運ぶ船がヤマトくらいしかないからな。
あとはコスモタイガーみたいので月に行くのが精いっぱいだろう」(真田)
「そうですね…まずは地球の復興が一番ですしね…」(古代)
「古代、いいんだよ。たまには俺たちもゆっくり休んでいいんだ。難しい顔したって復興作業は
今日、明日で終わるもんじゃない。休みがもらえる間はちゃんと休むとしよう」
真田は今までそう思った事がなかったが自分にも少し休養が必要だとそう思えるようになった。
今までは辛いこと、大変なことを仕事で紛らわせてきたがイカルスで天使を預かってから人の笑顔がどれだけ自分を癒してくれるのか初めて知ったような気がしたからだ。
今までは人と会っていても傷をなめ合うだけだと思っていた。でもそれは自分の思い込みだったと言うことに気付いた。同じ気持ちを共有してさらに高め合うことがこのメンバーなら出来ると、澪の事も少しずつ昇華出来るかもしれない…そう思うのだった
作品名:永遠に…の傷跡 15 作家名:kei