永遠に…の傷跡 15
真田はホテルを出ると防衛軍のパスを使い地上へ向かった
まず先に寮へ向かったがすでに倒壊の恐れがあるとの事で崩されてコンクリートの山になっていた。
(端末に入ってた情報とか…全部持っていかれたかな…まぁ大事な私物は地下都市において
あるから大丈夫か…)
次に防衛軍の建物のあった場所へ向かった
(…すごいな…半壊状態だ。無事に残ってる部分は敵さんが使ってたところか…)
そして遠くにそびえたつ重核子爆弾がその先の視線の先に見えた
(ここから見てもあれだけの大きさだ…信管を抜いててもちょっとした脅威を感じるな)
真田はゆっくり歩き出した
<お義父様、危険よ、>
どこかで澪の声がしたような気がした
「澪…いるのか?」
ふと歩みを止めて周りを見渡した
<いるわ…傍に…>
「何が危険なんだ?」
<ユキさんから目を離さないで…>
「…わかった…明日だな?気をつけよう。」
真田の周りをさわやかな風が吹き抜けて行ったような気がした
(…科学で証明できないことだな…)
再び重核子爆弾を見た
(地球人の健全な体…か…俺は地球を守るため、と銘打っていろんな兵器を開発した。
敵さんとなんら変わらないじゃないか…でも俺は人間がどれだけ温かいものなのか知っている
ひとりの人間が笑ってくれる、それだけで周りの人間も幸せになることを知っている。
アルフォン少尉だけでなく他の敵さんの偉いヤツがそれに気付いてくれたら友好な星に
なれたかもしれない…)
「澪…ありがとう…それを気付かせてくれたはお前だ…ユキも…そうだな。ユキの一生懸命さが
周りに笑顔を作ってくれてたんだな。これからも頼むな…俺も…古代も…」
真田はそう言うと踵を返し地下都市へ戻って行った
作品名:永遠に…の傷跡 15 作家名:kei