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永遠に…の傷跡 16

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ユキは再び夢の中にいた。

時折肩に激痛が走る…痛い…痛い…私どうしたんだろう…この痛み…どこかで…

  <生命反応が…消えていたそうだ>

ユキはハッとして目が覚めた。ぼんやりとまわりの白い風景が目に入る

  (…ここは…やっぱりまだアルフォン邸なのね…今まで古代くんがそばにいたような気がした
   けどあれはやはり夢だったのね…)

起きようとしたが肩に激痛が走り起き上がることができなかった

  (…ここにいても…だめなのよ…)

ユキは何とかして起き上がろうとしていた

  「ユキ、まだ起きちゃだめだって。」

ユキは反対側から聞こえてくる優しい声に反応して動きが止まった

  「あいつらレーザーガンの出力最大で撃ってたんだ。かすめただけだからそれぐらいですんだ
   けどもう少し下だったら肺をやられてたかもしれないって…」

聞き覚えのある優しい進の声だった

  「動いちゃだめだよ、ちょっと縫ったんだ…しばらくつっちゃうかも…って。」

進はベッドの反対側に歩いてユキの頭をそっとなでた

  「…ここは病院。あの少尉の館じゃない…佐渡先生が明日傷の様子見てジュクジュクしなければ
   大丈夫だって。縫ったと言ってもとけるしこれくらいなら痕もひどく残らないだろうって。」

そこに立っていたのは紛れもなく恋人の古代進だった。ユキは自由になる右手を耳に当てた

  「夢の中で何か聞こえたかい?夢だよ、夢…ユキ、もう戦いは終わってる。俺もユキも生きてる
   もう心配することなんて何もないんだよ。」

ユキはやっと状況を把握したようで涙が一気に流れて来た

  「怖かったよな…ごめんな、守りきれなくて…」

進がそう言いながらそっとユキのほほにキスをした

  「…みんな心配してる…入れてもいいか?」

ユキは黙ってうなずいた。進はそっと涙を拭いてやると扉の方へ向かいみんなを招き入れた

作品名:永遠に…の傷跡 16 作家名:kei