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Wizard//Magica Infinity −8−

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更にもう一人、ウィザード・ランドドラゴンが地中から出現し、ハルトに重い上段切りを頭上から浴びせる。なんとかそれをウィザーソードガンでこらえるがなぎ払うまでの余裕が全く無かった。


−うわァァァァッッッ!!!!−

「あっ…」

「これで、4対1だな」

そうこうしている間にハルトの分身体が無残にもウィザード・ウォータードラゴンに倒され、現状は4対1へとなってしまった。
ハルトは4人と距離を取り、再びフレイムスタイルにスタイルチェンジする。

「『フレイム』プリーズ!『ヒーヒー!ヒーヒーヒー!!』」
「くっ…打つ手無しか」

「これで終わりだ…操真ハルト!」
ウィザード・フレイムドラゴンの右手に装着された時計型の甲冑を腰のベルトへと掲げる。その時、他の3人のウィザードの強化形態が光り輝き始めた。
「ファイナルタイム!『オールドラゴン』プリーズ!!」
「絶望の力を…その身体に受け止めろ!!」

3人のウィザードの強化形態がウィザード・フレイムドラゴンへと融合を始める。するとその身体を中心に、背中に翼、両手に爪、腰に尻尾、そして胸にはドラゴンの頭が出現した。

ウィザードの最強形態、ウィザード・オールドラゴンが完成した。

「それでもっ…俺はぁッ!!」
「チョーイイネ!『キックストライク』サイコー!!」
「答えがまだわからなくてもッここでは立ち止まれない!!」

ハルトは両足に炎を宿し、ウィザード・オールドラゴンへと駆け抜ける!!

「答えは一生知ることはない…お前が変わらない限りはッ!!」

ウィザード・オールドラゴンは空中で浮遊し、身体を中心に周りに4つのそれぞれのエレメントを宿した魔法陣を出現させ、ハルト目掛けて両足蹴りを放つ!!

「はぁァァァァァァァァッッッ!!!!!!」
「へぁァァァァァァァァッッッ!!!!!!」

二つの炎がぶつかり合い、公園の面影は少しずつ無くなっていく。
ハルトの全力全開の必殺技が龍の姿をしたウィザードへと降り注がれる。



…だが。



「ッ!!?」
「その程度か…なら、終わらせてもらおう」
「はっ……」


気がついた時には俺は奴の炎の中に飲み込まれていた。
全身に激痛が走る。
この激痛、それは、俺の負けを意味していた。


俺は、負けた。


「グアァァァァァァァッッッ!!!!」

俺は地面に叩きつけられ、変身が強制解除され地を這いつくばっていた。
俺の目の前には、もう一人の俺がウィザーソードガンをこちらに向けて立っている。

「わかったか…その身を通して…この、絶望の力がどれほどのものか」

「う…ぐ……」

「返す言葉もないみたいだな」

「ち…が……」

「さらばだ…『もう一人の俺』」


その瞬間、俺へと剣が振り落とされる。



これで…本当に終わりなのか?



答えを見つけられず…奴の一部になって…




永遠の闇をさまようことになるのか……。














−まだよっ!!−




「なにっ!!?」

「え?」


俺の頭上で何かがぶつかり合う音が聞こえた。
上を向くと、もう一人の俺が片手を抑えながら後ずさり、


そして、俺のすぐ隣には、白いマントで身を包み、細剣を構え綺麗な青髪…。


「さやか…ちゃん?」


そう、そこには…今は眠っているはずの、さやかちゃんの姿があった。


「ぐっ…このタイミングで」

「嘘だろっなんでさやかちゃんが!?」
「間一髪ってところね、ハルト。大丈夫、こいつは私に任せて!」

そう言い残してマントから大量に生成した細剣を奴目掛けて止まることなく投げつける。
あいつは一瞬油断したのか、右手に怪我を負い満足に動けないようだ。
なんとかガードはしているものの身体中に目に見える傷が増えていく。

「おそいっ!!」
「うぉっ!」

「ぐぅっ!!飛んだ邪魔が入った!!」

さやかちゃんがもつ身のこなしの良さで一気に奴の下へと近づき、両手の細剣で交差斬りを放った。直撃はしなかったものの確かにダメージは与えたようだ。

ウィザード・フレイムドラゴンは美樹さやか から距離を置き、こちらを睨みつけた。


「予想外の事態が起こったが、いずれ再びお前の前に現れる。その時が、本当にお前の最後の時だ、操真ハルト。…また会おう」

そう言い残し、奴は何処かへと去っていった。
さやかちゃんは警戒を解き、魔法少女の姿からいつもの見滝ヶ原中学の制服へと変わり、俺の元へ来た。

「大丈夫、ハルト!?」
「あ、あぁ…まだダメージは抜けきってないけど、なんとか…それより、なんで さやかちゃんが…」
「あっ…えっとぉ~…んっん~!説明は後、それより…ハルト。今はあまり詳しく説明はできないんだけど、私はある指名を受けてここに来たの」
「ある…指名?」

間違いない。
この天真爛漫さ、本物のさやかちゃんだ。
一体何故彼女がここにいるのだろうか。
第一、さやかちゃんはまだ見滝ヶ原総合病院で寝ている筈だ。
だとしたら、目の前の少女は一体…。


「そう!…まぁこの世界の事とかいろいろ説明はすることもあるんだけど~、まぁ移動しながら教えるわ!」

「移動?どっかいくの?」

「ハルトはこの世界でとある『答え』を見つけ出さなきゃいけないの。だからこれから私と一緒に着いてきて!ハルトの始まりの地…『面影村』までね」

「なんだって…?」


…面影村、『答え』だって…?

一体…どういうことだ?

「ほらっボサっとしないで早くいこう!」
「あ、あぁ…」

俺はさやかちゃんに手を引かれボロボロになった公園を出る。
何が起きているのか、まだ状況を理解しきれていない。
それでも、彼女が俺を導いているなら、俺は着いていこう。

面影村…あそこに帰るのは初めてだ。

もう二度と訪れることは無いと思っていた場所。
俺の過去が眠っている場所。

はたして、そこで俺の…俺自身の戦ってきた意味の『答え』を見つけ出すことはできるのだろうか。
俺はそんな疑問を抱きながら誰もいない見滝ヶ原市を後にすることとなった−−−。



・・・




「しっかし、本当に誰もいないわねぇ~かえって不気味だよ」

「な、なぁさやかちゃん…面影村に行くんだよな?」
「え?さっきそうだって言ったじゃない。何聞いてたの?」
「いや、それはわかるんだけど…このまま歩いて行くつもり?」


誰も存在しない見滝ヶ原市を俺と さやかちゃんは歩く。
商店街を通っても、店内からは何の気配も感じないし、住宅街を過ぎても、子供の声すら全く聞こえてこない。本当に、この世界には俺と さやかちゃんしか存在しないみたいだ。

だとしたら、何故俺はここに存在しているのだろう。
何故、目の前に彼女が存在しているのだろう。

そんな疑問を、俺は彼女に聞いて見ることにした。

「なぁさやかちゃん、今は一体何が起きているんだ?なんでここには誰も存在しないんだ?」
「さぁ、わからないわよ」
「は?」
「まぁ。『神様』が考えることなんて、私にはわからないってことよ」
「あ、そう…」

使えない・・・。
口では言わなかったが、心の片隅でそう考えてしまった。まさに さやかちゃんだ。
作品名:Wizard//Magica Infinity −8− 作家名:a-o-w