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Wizard//Magica Infinity −8−

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それでも、すぐそばに友達がいるということはどれだけ心強いことだろうか。

「まぁハルトの言う通り、流石にこの見滝ヶ原から面影村まで結構距離あるわよね。なにか移動手段を見つけないと」

「たしかこの近くに駐車場あったよね?持ち主には悪いけど、そこで動かせる車かバイク、もしくは自転車でも使って移動しようよ」

「それいいわね!なんだ、ハルトも結構頭が動くじゃない!」

「それはどうも」

そう言って さやかちゃんは何かが晴れたようにスキップをしながら駐車場へと目指す。
そういえば聞き忘れていた…が、何故さやかちゃんはこの場にいるのだろう。
それが一番の謎だった。

もしかして、眠りから覚めたのか?

そうこう考えている間に、いつの間にか駐車場に到着していた。
駐車場…といっても、正確には5階建ての駐車場。
広大に広がる敷地に何台もの車やらバイクが止まっている。

俺達は一台一台、キーが刺さっていないか確認していく。すると−−−。

「あ、このバイク。鍵つけっぱじゃない。ハルト、バイク運転できる?」
「まぁ興味本位で触ったことはあるけど、安全面では保証しないよ?」
「それなら全然オッケー!派手に転んだら、この魔法少女さやかちゃんの完璧なる治癒魔法で治してあげるわ!なっはっはー!!」
「はいはいっと」

さやかちゃんにヘルメットを渡し、俺も近くに停めてあったバイクのヘルメットを拝借して被る。バイクにまたがりエンジンをかけアクセルをまわすと綺麗に吹き上がる音が駐車場内に響き渡った。
「さやかちゃん乗って。遠いからちょっと飛ばして行くよ」
「あたしバイクに乗るのって初めてなんだよねー!せっかくだし、ぎゅいーんと飛ばして行っちゃって!!」
さやかちゃんが俺の後ろに乗り込み、両手を俺の腹部にまわし身体を密着させる。
それと同時に背中に暖かな温もりが・・・。

「っ!!?さ、さやかちゃん…ちょっと離れ…」
「んー!?なんか言ったぁ!!?エンジンうるさくて聞こえないわよ!!」
「いや、なんでもない…よし、行くぞ!」

スロットルを2、3回まわし、そのまま勢いをつけて駐車場を後にした。
そのまま市街を抜けて高速道路に乗る。
すると高速道路から広大な見滝ヶ原市が俺達の目に映った。
「すごーい!!見滝ヶ原ってこんなに広かったんだね!!」
「あぁ…」
俺が色々な体験をした見滝ヶ原。
「……本当に、色々あったよな。この街で」
「ハルト?」
「何故か、寂しく感じるよ」
特に理由は無かったが、俺はもうこの街には二度と訪れることは無い…何故かそう感じた。
時は既に夕刻をになっていたのか、太陽が落ち始めビルに夕日が反射しとても眩しかった。


「じゃあな…見滝ヶ原」


作品名:Wizard//Magica Infinity −8− 作家名:a-o-w