時空省奇伝 次元と時を超える者たち
さて、ここまでの流れまでいったい汽車の中では何が起こっていたのか?爆破されたところまで一旦時間を巻き戻すことにしよう。
質問の返答をしようと思っていたが、爆発音でかき消され、同時に汽車の中は阿鼻叫喚の地獄と化していた。
エドワード「うぉっ、なんだなんだ?この喧騒は…ってかあんた誰?」
彼は読書をしている間、集中力がありすぎて周りに気が付かないタイプなのであった。
山本「気づくのおそっ!…ってかそんなことを言ってる場合じゃない!ここは早く逃げないとまずいな。」
アルフォンス「しかし、一体何が起こったのでしょうか?」
山本「どうやら窓の外を見る限り、汽車と駅のホームで爆発があったようだ。」
エドワード「そりゃ一体どうことだ?まさか、テロでも起こったというのか?」
山本「どうやらそのようだな…外にいるあいつに見覚えがあるんじゃないかな、鋼の錬金術師さん。」
エドワード「どうして俺のことを知ってるんだ?あんた見たところ東洋人みたいだが…俺って結構有名人なんだな!」
エドワードは、急に自慢げな顔をした。よほどうれしかったのだろう、我々が彼のことを知っていたことが。
アルフォンス「兄さん、そんな顔をしている場合じゃないでしょ。それに、あそこにいるのって。」
エドワード「ああ、アイザック・マクドゥーガルだな…。」
アイザック・マクドゥーガル。かつて、この国の首都でテロを起こした末、軍によりその場で処刑された男である。エドワードと私は、間違いなく死んだはずの
者がそこにいることにはすぐさま違和感を覚えた。
エドワードは私にすぐさま語りかけた。その口調は、普段よりだいぶ柔らかな言い回しである。
エドワード「すみません、そこの人名前は?」
山本「あぁ、君にはまだ名乗ってなかったね。私の名は山本誠一だ。よろしく。」
エド「おう!よろしく!…そうそう、一応俺も名乗っておかないとな。俺の名前はエドワードエルリック。通称『鋼の錬金術師』だ!」
お互い簡単なあいさつを済ませたのち、すぐさまマクドゥーガルについての対策を始めた。
作品名:時空省奇伝 次元と時を超える者たち 作家名:T・岩本