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時空省奇伝 次元と時を超える者たち

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ここで再び、駅舎内に戻る。今、駅舎に響き渡るのは、火縄銃『紀州国友』から発射される乾いた音、音、そして音。
鉛の玉は、狙った目標に向かって一直線に向かっていく。今の時代でいえばスナイパー、彼のいた時代なら狙撃者といったところか。
その中でも、日本の戦国時代における最高の傭兵集団『雑賀衆』の頭領、雑賀孫一となればなおさらである。
しかし、銃弾は当たらない、いや、『すり抜けている』のだ。
孫一「ご覧のとおり、奴には攻撃が通じねえってってわけさ。まったくたまったもんじゃねぇよな。」
仮面の男は、おそらく余裕だとでも思っているのだろう。ひそかに聞こえる笑い声が聞こえる。
仮面「どうした、もう終わりか?まぁ、無理もない。破ろうと思って破ることはほぼ不可能だからな。さてどうする、アレックス・
ルイ・アームストロング少佐?そして、いい加減出てきたらどうだ、雑賀衆の頭領よ?」
?「へいへい、まぁ最初からこうなることは分かってたからいいけどよ。これ以上は無駄弾だから仕方ぇな。」
そうすると、天井付近からガサッ、ガサッという音がし、男が一人アームストロングの横に降りてきた。
緑を基調とした服装をしており、八咫烏の紋様が目に映る。雑賀衆の頭領である孫一らしいデザインであろう。
孫一「さて、降りて来たはいいけどどうするかまだ考えてないんだよな。そういえば、あんたに実際に会うのはこれが初めてだな。」
アームストロング「おぉ、そなたが孫一殿か。初めてお目にかかりますな。」
孫一「まぁ、そう固くならなくていいぜ。まずはあいつらをなんとかするしかないからな。」
二人は、正面にいる松永久秀と仮面の男に目をやった。孫一は銃口を相手に向け、アームストロングは相手に対し、堂々と構える。
一方、松永は「上々、上々。」と笑みを浮かべ、仮面の男も戦闘隊形に入る。
仮面「そうか。では、こちらから行かせてもらうとしよう。しかし、無駄なことをするものだ。我々を相手にそのような攻撃方法では…。」
まさに突然、彼は一瞬にして加速し、一気に距離を詰めた。
仮面「我らに勝つのは…不可能だっ!」
二人はあまりの速さについてこられなかった。いつその手に苦無は握られたのか、刃は確実に二人を狙い、迫る。