時空省奇伝 次元と時を超える者たち
?「…なら、三人で相手なら問題ないな?」
苦無は二人の首をはねる前に、激しい金属音をたて、はじかれた。そのまま苦無は宙を舞い、ホーム脇の線路に落ちそうになる。
しかし、反射的に体が動き、苦無を再び片手でつかんだ。
仮面「ほう、援軍とはな。このタイミングで現れるところを考えると、大した奴だ…。」
?「…敵とはいえ、ほめられるのも悪くはないのかもしれんが、少し気持ち悪いな。」
こちらの援軍としてあらわれた『青年』は、肩をすくめながらそう答えた。
青年「やれやれ、かなり派手なことをしてくれたもんだな。ここまで派手にやるなんて、聞いた以上のことをやってるな。」
青年は状況を見ると、やれやれと言わんばかりの表情をしながら、少しうつむき右手で顔を抑えるといういつもの癖をやる。
アームストロング「そこの青年、一体君は何者なのか?」
スコールは、二人の方向を向いた。上下とも黒い厚めの服装をしており、顔には刃物傷がある。
銃の形をした珍しい武器、『ガンブレード』を右手で持ったまま、肩に軽く乗せたような形で立っている。
青年「そういえば、まだ名乗ってすらいませんでしたね。俺の名はスコール。スコール・レオンハート。バラムガーデンの傭兵部隊『SEED』
の一員だ。あなた方のことは依頼主から聞いている。あなた方を助けるため、ここに来た。」
孫一「へぇ〜、ずいぶん若い傭兵さんだこと。とはいえ、腕は立ちそうだから問題はないな。」
こうして、3対2という図式が出来上がり、人数的にはこちらが有利となった。しかし、敵方二人はそれでも余裕といった表情だ。
松永「愉快、愉快。これは中々面白い図式となったものだ。」
作品名:時空省奇伝 次元と時を超える者たち 作家名:T・岩本