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時空省奇伝 次元と時を超える者たち

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大総統「うむ。君とここで話をするのもよいが、ゆっくりこの中で話を聞こう。」
お言葉に甘えた私は、その病室に入る。すると、辻谷君とエルリック兄弟のほかに誰か別にいる。一人は異世界から来た医学生、もう一人は、恐らくエドワードの
言っていた幼馴染なのであろう。一番の驚きは、何故彼がこのようなところにいるのかということだ。
名前を先にいうなれば、『ジュード・マティス』。『リーゼ・マクシア』という異世界の人物である。以前、私の仕事の都合で彼の手伝いをしたことがあったが、何故
ここにいるのかは極めて謎だ。まぁ多分、時空省人事担当『宇和島 光』さんのせいだな。『厳島』長官には知らせたのかな?もしかしたら、『室長』の仕業かも…
等と考えている暇はない。もう一度よく見つめると、間違いない。この白衣の青年はジュード君である。私は、彼に簡単なあいさつを済ませる。
彼と出会ったのは、異世界探索の開拓中でのことだ。しかし、彼もパラレルワールドに縁があると言えよう。詳しいことを話せば長ーくなるが、彼は友人のおかげで
時空のゆがみを正すことに精を出していたこともある。こちらの世界には時空のゆがみは存在していないので、一切問題はない。
一方。エドワードと何やら賑やかしく喧嘩をしている女の子は誰だろうという事だ。右手にはスパナが握られていることを考えれば…、オートメイル技師なのだろう。
エドワード「いやっ、そういわれてもよ『ウィンリィ』。何故かこの人たちに巻き込まれてな!」
エドワードは、私のほうを指さしながら、『ウィンリィ』という名の女の子に物言いたげな表情をする。
ウィンリィ「なーに、何かあの人に文句でも言いたいわけ?言っとくけど、オートメイルを壊したのはあくまであんたのせいなんだから…」
どうやら、今の一言で彼は完全に固まったようだ。隣では、辻谷君とジュードは苦笑いを浮かべる。
ジュード「はは。全く、彼女には敵わないみたいですね。」
辻谷「どうやら、その通りだな…。おっと、そういえば、もっさん!そこにいたのか。」
やっと私に気が付いたようだ。私は皆に現在の状況を聞くため話しかける。
山本「はは、まぁ元気そうで何よりだ。それに、ジュード君。久しぶりだね。」
ジュード「はい、お久しぶりです。それにしても結構、ひどい怪我みたいですね…」
山本「ま、怪我はこの仕事につきものさ。そういえば君は何故ここに?」
ジュード「はい、僕は『室長』さんの指示でここまで来たのですが…何か役に立てれば僕に何か言って下さい。」
私は彼に感心しながら話を聞いていた。まだ十代後半というのに、しっかりした青年だ。医学生というのは、結構こんな人が多いのかな?
大総統「うむ、君がジュード君かね。話は聞いている。…うむ、中々見どころのある青年だ。これからも、精進したまえよ。」
と激励の言葉をかける大総統。そして、次に目をやるのはエドワード君だ
大総統「どうやら、今回も手柄を立てたようだね、君にはいつも助けられてばかりだ。」
エドワードは、「ありがとうございます。」と簡単に礼を済ませ、最後に私と辻谷君のほうに向く。