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時空省奇伝 次元と時を超える者たち

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山本「おっと、ここでいいのかな?…間違いない、ここだ。」
流石に緊張する二人と精神的に余裕のある老人1名はその場所の前に到着する。
元就「どうやら、そのようだね。さて、ノックして入ろうかな…」
辻谷「いやっ、ちょっと待ってください。まだ心の準備が出来ていないのですが…」
そんな彼をよそに「失礼します。」と入るマイペースな室長である。
辻谷「ちょっと待ってんしゃーい!」と思わず方言が出る辻谷君。だが、もう後にはもどれない!
山本「まぁまぁ、俺も一緒にいるから落ち着こう。」と声をかける。
大総統が座るであろう机を前に、三人は横一列に並ぶ。大総統は、机の後にある窓から街を眺める。
大総統「む、どうやら来たようだね。ささ、椅子を用意したので座りたまえ。」
我々は、お言葉に甘えて椅子に座る。最初に口を開いたのは毛利室長だ。
元就「いや〜この国を治める国家元首『キング・ブラッドレイ』にあえるなんて、光栄です。」
山本「ははは…、こりゃスイッチが入ったみたいだね。」
辻谷「どうやら、そのようだな。」と横で話す二人をしり目に笑顔で握手する80歳と『ははは』と笑う60歳、実に楽しそうだ。
元就「わざわざ、私たちを呼んだのは『あのテロリスト』について話しておかなければならないことがあるという事かな?」
今度は、まじめなほうのスイッチが入ったようだ。大総統も、笑顔から引き締まった顔になる。
大総統「その通り。流石、察しがいい。…どうやら、あなたの横にいる『部下』二人もそのことについて聞きたがっているようだ。」
圧倒的な威圧感を漂わせながら話をする大総統『キング・ブラッドレイ』。ジュードが言った通り、これが数々の戦線を潜り抜けた男の出すものなのだろう。
そんな威圧感をものともせず話す戦国大名『毛利元就』もやはり只者ではない。
元就「全く、大総統閣下がおっしゃる通り。まぁ、一つだけ間違いがあるとするなら、『二人の上司ではない』という所かな。」
大総統は「む…それはつまりどういうことかね?」と言葉を返す。ほんの僅かに驚いているような口調だ。室長は話を続ける。
元就「私は、非常勤である辻谷君の上司には当たるけど、組織のNO.2に当たる『山本 誠一』次官と比べたら遥かに下っ端だからね。」
その言葉を聞いた大総統は私に目を向ける。鋭い目つきでこちらを見つめた後、「これは失礼した。」と返した。
私は思わず室長に
山本「いえ、ここは別にそんな感じで話を進めてもよかったのですが…。」と室長に尋ねるものの、
元就「まぁ、ここは少し『虚をつく』ほうがいいかな〜と思ってね。それに、虚偽申告はこの場合よくないよ。」
と答える。流石、こちらも幾多の戦場を潜り抜けた『謀神』。肝が据わっていらっしゃる。