時空省奇伝 次元と時を超える者たち
そのまま大総統は、私のほうを向いたまま会話を始める。
大総統「それでは、ヤマモト君。君に話しては置かねばならないことがある。聞いてくれるかね?」
山本「はい、構いません。」と返事をすると、大総統はこう述べた。
大総統「マスコミには話していないことだが、君たちが出会った仮面の男に遭ったのだよ。」
辻谷君はその言葉を聞き、驚嘆を上げる。
辻谷「なんですと!それは本当なのですか。」
大総統は短く返事をしたのち、話を続ける。
大総統「あれは二日前の話だ…」
大総統は、手短に二日前の話を始める。
━二日前
君たちはまだ病院で寝込んでいる頃になるかね?その日の正午過ぎ、私は仕事を終えて食事を取ろうと食堂に向かおうとしていた。
大総統「さて、そろそろ時間だ。今日は妻と劇を見に行く約束だったな。早く仕事を終えて帰りたいものだな。」
そうして、ドアを開けようと席を立った時だ。
仮面「これはこれは、ご機嫌いかがかな『大総統 キングブラッドレイ』殿?」
後ろを振り返ると、そこにいたのは黒いマントのようなものを着ている仮面をつけた男が立っていたのだよ。
大総統「…貴様!どうやってここまできた!」
とっさに私は剣を抜いて切りかかったのだが、不思議なこともあるものよ。剣が奴の体をすり抜けてしまったのだ。
仮面「おっと、俺のことのついては話を聞いてはいなかったのかね?お前も、もういい年をしている。剣の腕も鈍っているだろう。無駄な争いはせず、
黙って俺の話を聞くのだな。」
仮面の男は私を見つめながら話をつづけ始めたのだ。このような内容でな。
仮面「さて、俺がわざわざここまで来たのは他でもない。貴様と取引をしに来た。」
大総統「取引と?して、どのような内容かね?」
仮面「この国にある『賢者の石』のありかを我々に譲ってもらえないかね?」
大総統「何!賢者の石だと!」
賢者の石の話は何かは聞いたことはあるかね?一応説明しておくならば、錬金術の法則である等価交換を無視して錬成出来る赤い石だ。
最近、宗教の教祖がそれを利用して悪だくみをしていたことが明らかになったが、エルリック兄弟が事件を解決したおかげで何とかなったが。
作品名:時空省奇伝 次元と時を超える者たち 作家名:T・岩本