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Wizard//Magica Infinity −9− 完

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−サヤカァァァァァ!!−
「この声…杏子!?」

赤い閃光が さやかちゃん目掛けて突っ込んでいく。
さやかちゃんはその驚異を察したのか間一髪でそれを避けた。
そこに現れたのは…杏子の影。

−ヘヘッ!ハラヘッタ!ナニカ タベサセロ!−
「今は何も持ってないっての!!」

杏子の斬撃とさやかちゃんの乱舞がぶつかり合う。

「さやかちゃん!」
「私は杏子と決着を付けてから追いつくわ!!…いい機会じゃない。あの時の蹴りをここで付けてやるわ!!」

俺達は止まることができない。
さやかちゃんには悪いが、俺達は先に向かうことにしよう。

「ごめんっさやかちゃん」
「結構結構!急いでハルト!絶対にワルプルギスを倒すのよ!?」

次第に さやかちゃんは影魔法少女達に囲まれていった。

「…操真ハルト。気乗りはしないけど、私に捕まりなさい」
「え?」
「このままじゃキリがないわ。一気に距離を詰めるわよ…っ!!」
「え、ちょっと!!…わぁぁ!!」

瞬間、俺は不思議な体験をした。
ほむらちゃんは俺と手を繋ぎ左腕の盾を起動させ周りの動きが遅くなる。いや、俺達が速くなっているのか?
「今、私たちは音速で動いているわ。さぁ、あなたの力で一気に駆け抜けなさい」
「…ナイス、ほむらちゃん!」
『ターン・オン!』

アックスカリバーを再び逆手に持ち、魔力を込めた。
『ハイ・ハイ・ハイ・ハイ・ハイタッチ!!プラズマシャイニングストラァァァァァイクッッ!!!!』
「ヘアァァァァァァァァッッ!!!!」



「…貰ったわ…」



巨大化させる変わりに、自分の身体中の魔力を斧の先に凝縮させ、俺達の周りをブーメランのように投げる。
瞬きしている間に大量の黒い物体が何も無い更地へと変わっていく。
最後に自分の下へと帰って来たアックスカリバーをキャッチし、ほむらちゃんの魔法が解かれる。
影魔法少女達は断末魔すら挙げられず消滅してしまった。

「さぁ、行くわよ」
「あぁ。助かったよ、ほむらちゃん…ッ!」

その時、俺の足元に銃弾の嵐が降り注がれた。
俺とほむらちゃんは事前にそれを察知し、回避する。
俺は前を見上げた、すると崖の上に見覚えのあるシルエットが目に映る。

−アノ ジュウゲキヲ ヨケルナンテ、アナタタチ デキルワネ−
「マスケット銃…あれは」
「巴マミね」

マミちゃんの姿をした影魔法少女は華麗に崖の上から飛び降り、俺達の目の前に着地する。

−サァ キヲトリナオシテ モウイチド イコウカシラ!−
「くッ!」
大量に生成されたマスケット銃を俺達に向けて止めることなく放ち続ける。俺は大丈夫だが ほむらちゃんはそうもいかない。
この銃撃を時間停止させて全て避けているが時間の問題だ。

「ほむらちゃん、さっきみたいにもっと時間を止めてられないの!?」
「馬鹿言わないで頂戴っ、とんでもない魔力使うのよ、あれ…ぐっ」

−イッキニ キメサセテ モラウワヨ!!−

「ふぅ…仕方ないわね。行きなさい、操真ハルト」
「えっでも!」
「これから時間停止を何度も使うし、あなたに誤射してしまう確率が高くなるわ。あなたはやらなくてはいけないことがあるのでしょ?さっさといきなさい」

ほむらちゃんは本気でマミちゃんの姿をした影魔法少女と戦うつもりだ。もしかしたら初めてみるかもしれない…本気の ほむらちゃんを。

「勘違いしないで。私は…まだ まどかを諦めたつもりは一切無い。それでも一つだけ…感じたことがあるのよ」
「え?」

「例え…記憶が無くても…過去の出来事を覚えていなくても…ちゃんとこうして、もう一度出逢うことができたのだから」

一瞬…だった。
微かに、ほむらちゃんは俺に向けて口元を緩めて微笑んでくれたように見えた。
彼女が言った意味は俺はわからない。

きっと…過去の俺自身が拒んでしまっているのかもしれないから。

「…任せて」

俺はこの場を後にし、再び前へ、前へと走り出す。

後方から銃弾が飛び散る音が幾度と聞こえてくる。きっと、凄い戦いが行われているのだろう。


「はぁっはぁっ」





−良いのか?操真ハルト−


「あぁ、覚悟の上だ」


−ワルプルギスを倒す、それはつまり、お前自身の『消失』を意味している−


「ドラゴン、俺はお前を受け入れたときに全てを決心した。今の俺の姿が無くなったとしても、最初からその運命だったというのなら、俺は受け入れる」


−その決断に迷いは無いな?−


「何度も言わせるな!!」


走るスピードを早める。
ワルプルギスはもう目の前だ。


『アハハハハっキャハハハハハハ!!』

−ココカラ サキハ イカセナイヨ!−
−アナタハ ワタシタチニ ゼッタイニ カテナイ!−
「勝ってみせるさ、そのためにもう一度変身してこの場で戦っているのだからな!!」

ワルプルギスの目の前に再び現れる影魔法少女達。
もう足を止めることはできない。
このまま一気に突き抜けてやる!!


「ドラゴンっ!もう一度俺に力を借せ!!」
『ドラゴタイム・セットアップ!スタート!!』

アックスカリバーを体内に返還し左手に持っていたウィザーソードガンを投げ捨て、ドラゴタイマーを右手に装着し機動させた。

『フレイムドラゴン!ウォータードラゴン!』

ウィザード・フレイムドラゴン、ウォータードラゴンが出現し、俺の元へと突っ込んでくる影魔法少女を振り払っていく。俺はその隙にさらにワルプルギスへと距離を詰めた。
だがその時俺の頭上から二人の影魔法少女が襲ってきた!

『ハリケーンドラゴン!ランドドラゴン!』
「ドラゴンっ頼む!!」

「チョーイイネ!『ティロフィナーレ』サイコー!!」
「『ハリケーン』シューティングストライク!」
「「任せろっ!」」

ウィザード・ハリケーンドラゴンのシューティングストライクとウィザード・ランドドラゴンのティロフィナーレが二人の影魔法少女を貫いた。


そして俺はついにワルプルギスの元へと辿り着いた。
とんでもなく大きい…奴の顔がすぐ目の前にある。

「これで終わりだ、ワルプルギス…俺の元へと戻れ!!」

この大きさでは物理攻撃じゃ太刀打ちできない。それなら吸収するまでだ。
俺は懐から『リボーン』の指輪を取り出そうとした…。





だが…。





「…っ!!…あれ、…ちょっと待て!どこいった!?」




リボーンの指輪が…無い!




馬鹿な…落としたのか!?





『ギャハハハハ!!アッハハハハハハハ!!』

「しまっ…」



身体が空中に浮いているようだ。
油断してしまった…奴の魔力砲をまともに受けてしまった。

いくら装甲が強化されているからといって、全く痛みが無い訳じゃない。


身体中に激痛が襲ってきたのは、地面に落ちた時だった。



「ぐあァァァァァッッ!!…あ…ぐ……う…うぅ……」


宝石でできた装甲やウィザードライバーにヒビが入り、戦う気力が無くなっていく…。

意識が遠のく…

駄目だ…諦めちゃ駄目だ…。



くそ…こんなところで…




ここまで来て…俺は…




俺は…!!





「諦めるなッハルト!!」




…っ!!