Wizard//Magica Infinity −9− 完
右手に、暖かな温もりを感じる。
人の温もりだ。
俺は再び目を開ける。
「あんたが諦めたら、誰があれを倒すのよ?」
「ははっ…ごめん、さやかちゃん」
俺の目の前にはワルプルギスと対峙している4人のドラゴン、俺の手を握ってくれている ボロボロのさやかちゃん、そして、…ほむらちゃん。
「…立ちなさい、操真ハルト」
「えっ…」
ほむらちゃんが、俺に手を差し伸べてきた。
「なんで…」
「あなたの力が必要だからよ」
俺はさやかちゃんと、そして手を伸ばしてきたほむらちゃんの手を繋ぎ、身体に残った最後の力でその場に立つ。
「初めて…じゃないかな、俺と手を繋いでくれたの」
「いいえ、正確にはもっと昔からよ…そう、ずっと昔…」
「そっか…それだったら良いんだ」
きっと過去の俺も、本当は望んでいたんだろう。
再び手を繋ぐ事を…。
「見ていてよ、『ほむほむ』…今から、ヒーローらしいこと、してあげるから」
「…っ!!あ、あなた…」
「なんでだろう…口が勝手に動いたみたい」
作品名:Wizard//Magica Infinity −9− 完 作家名:a-o-w