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yamatoⅢ 太陽制御の後で 2

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ヤマトが戻りクルーの休暇が明けると地上へ戻れるようになった。また何もない地に戻ってしまったので再び地上は建設ラッシュとなった。一般市民は地上と地下を繋ぐエレベーター付近の決められた場所以外は立ち入り禁止だったが誰もが青い空と地上の空気を吸うためにエレベーターはいつも満員だった。

  「また、輸送船団が組まれるわね。」

ユキは復興状態を視察するために軍のテントの中にいた。視察に島が同行していた。

  「あぁ…またしばらく宇宙暮らしさ…古代は?」(島)
  「多分、同じだと思うわ。パトロール艇じゃ…我慢できないと思うの。」(ユキ)
  「そうだな…しかし…」(島)
  「しかしって?なぁに?」(ユキ)
  「またふたりの結婚式が遠のくんじゃないか?早くしてほしいんだが…」

島の言葉にユキが突っ込む

  「私たちの結婚が早いとどうなの?」(ユキ)
  「いや、別にどうこう、って訳じゃないんだけど…こう、落ち着かない、
   って言うか…」(島)
  「ふふふ…文句があるなら古代くんに直接言って。私は準備万端だけど
   古代くんがGO出さないと…ねぇ?」

ユキが寂しそうに笑った。

  「なんだか…私たちが結婚を考え始めると何かが起こるのよ…考えすぎ
   って言われそうだけど…」

ユキの顔が真剣になった。

  「結婚の神様は私の所へ来てくれないのかなぁ…」

ユキはテントの中でぼんやり青い空を見ていた。











  「おう」

島が古代を居酒屋に誘った。

  「お疲れ…待ったか?」(進)

奥のお座敷を取っておいてもらい島が待っている所へ進がやって来た。

  「ビールふたつ」

島がオーダーを入れた。

  「なんだよ、話って…」(進)
  「たまにはさ…久々にふたりで、って思ってさ。ユキだって毎日お前が
   帰ってきたら飽きるだろう?」

島の言い方が面白すぎて進は笑ってしまった。

  「バカ、あんまり地球にいないから飽きる、ってほどじゃないよ。だけど
   本当に毎日だと飽きるのか?」

進は本当に心配そうに島に聞いて来た。

  「バカ、お前本物のばかだな。ユキに限ってそう思うわけないだろ?」

島は自分がかわいそうになった。

  (このアホの為になんで俺が…)




  「今日、視察でユキと一緒になったんだ。新しい防衛軍を建築するところを。
   まぁ視察と言っても前と同じ所だし…前の設計を踏まえて不便だった所
   とかを直すぐらいしか変更はないと思うんだけどな…」(島)
  「そうだな、余り変わると俺らも困るしな。」(進)
  「しかしユキは変わらないなぁ。婚約中だって~のに口説きが入るんだか
   らなぁ…お前心配じゃねぇの?」

島が核心をつく。

  「全く心配してないわけじゃないけど…」

進が少し遠慮気味に答える。

  「ユキを信じてるんだろうが…そろそろ安心させてやってもいんじゃないか?
   婚約してもう何年になる?」

島の言葉に進が答えに詰まる。

  「少しユキに甘えすぎてないか?ユキは“結婚式”なんて求めてない…
   それぐらい俺にだってわかる。だけどもしもだぜ?万が一の事があった時
   真っ先に連絡行く場所お前の場合はどこなんだ?ユキだろう?他に何か
   考えてる事があるなら今、言っちまえ。」

島が少し怒った風に話をする。

  「…何もないよ。」(進)
  「お前、ユキがそばにいればいい、なんて思ってるんじゃないか?」

島の言葉に進が固まった。

  「図星だろ?」

してやったり顔の島。

  「ユキと幸せになりたいんだろ?二人で幸せになるんだろう?自分の事
   ばかり考えちゃダメだ。ユキがいてお前は幸せになれるんだから。
   確かにユキも形式ばった事を待ってる訳じゃないが…。」

島の口調が変わった。

  「お前の恋は成就できるんだ。出来れば早い方がいい。向こうに逝っちまった
   やつらも待ってるよ。まぁアテられて化けて出てくるかもしれないがな。」

島な自分の事を一度も口にした事がなかった。

  (お前の恋は…一生成就できないままなんだよな…。)

テレサとの別れの後、島は特定の女性を作らずフランクな付き合い程度に留まっていた。島はフランクな付き合いだと思っているようだが相手の女性は真剣に付き合いたい人ばかりで結局煮え切らず女性から別れを切り出す、というお決まりのパターンで終わっていた。
見かねた進とユキがプチ見合いをさせたがやはり長く続く付き合いは無理だった。







作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 2 作家名:kei