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yamatoⅢ 太陽制御の後で 3

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トウキョウシティに戻ると復興計画で進はすぐに宇宙へ飛んで行った。ヤマトのクルーは即戦力だったので輸送船団、護衛艦とばらばらになってしまったが各々任せられた任務を遂行していた。

進も例外でなく4か月間の長い任務を与えらえ輸送船団の護衛艦として働いていた。間もなく…その長い任務も地球に戻れば終わる、というところだった。




  「古代。」
  「島。」

二人は3ヵ月ぶりにイオで合流した。

  「久しぶりだな。」(島)
  「そうだな、誰かと一緒か?」(進)
  「あぁ、雷電が乗ってるよ。」(島)
  「そうか、元気か?」(進)
  「あぁしっかりあの体型は維持できてる。お前の所は?」(島)
  「俺の所には誰も乗ってないがこの護衛艦のシンガリに坂巻がいるよ。」

イオにある小さな居酒屋で久しぶりに飲んでいた。軍の基地しかないので店の店員はそこに寄った軍関係者しかいない。ゆっくり飲もうとふたりは奥の座敷を予約していた。

  「ユキは元気か?」(島)
  「あぁ、元気だよ。毎日長官のお供であちこち飛んで忙しいらしい。それでも
   昨日は休みだったから中央病院で研修を受けた、って。」(進)
  「それじゃ休みじゃないじゃないか。」(島)
  「俺もそれを言ったんだが…暇だと食べる事で頭がいっぱいになるから
   その方がいいんだって…ほとんどの休みを中央病院に当ててるんじゃ
   ないか、って思うんだけど…。」(進)
  「へぇ…お前、地球に戻った時ちゃんとユキに会ってるか?」(島)
  「…会ってるよ、少ししか時間がなくても…」

進は少しでも時間があればユキと会うようにしていた。たとえ5分でも…時に進が走って秘書室に向かう姿を目撃されたり反対にユキがドッグに走って向かう姿が目撃されていた。(相原情報←軍の通信員からも報告が入る)

  「まぁ…平和な証拠だな。」

島がつぶやいたが少し気になる事があった。

  「「なぁ」」

二人が同時に声を掛けた。二人は顔を見合わせた。

  「「お前もか?」」

ここ最近、おかしいと思う事がしばしばある。

  「通信、だろ?」(島)
  「そうだ…ほんの少しだが…」(進)
  「遅れが生じる…」(島)

二人はしばし静かになった。

  「すぐに手を打った方がいいな…俺から相原に報告する。そしてすぐに上の
   指示を仰ぐよう言う。」

進の顔が変わった。もし自分だけが感じていたら…と不安に思ったのだ。長く…いろんな事を経験してきて不安な気持ちが常に付きまとう。今までと違う感覚だった。

  「そうだな…最悪、ヤマトの招集がかかるかもしれないな。」

島の言葉に進はうなずいた。









  「相原通信士を」

島と別れた進は通信室の個室で相原を呼び出した。

  <古代くん、お疲れ様。今、イオでしょ?島くんと会った?>(相原)
  「…お疲れ。さすが、スケジュール頭に入ってるな…さっきまで飲んでたよ。」(進)
  <いいなぁ…ご一緒したいですよ。>(相原)
  「何言ってんだよ、少しは強くなったか?」(進)
  <バカにしないでください。僕は普通なんです、みんなが異常なんです。
   ほどほど、て言葉があるでしょう?…全く…>

相原は明るく話しているが目が真剣だった。

  「ちょっと気になる事があって…」(進)
  <やはり、感じますか?>

相原が即答した。

  「相原…」(進)
  <最近…ですよね?昨日、今日辺り…>(相原)

進は安心した。一番真っ先に感じてくれるであろう人間が察知してくれたから…

  <自分なりに調べてみようと思っていたんですが…さっき、真田さんに
   相談したんです。今日辺り何かしら連絡があると思いますが…>(相原)
  「そうか、ありがとう。俺も島もイオを出て地球に戻ればこの任務、終了だ。
   ただ、輸送船団に無理させるわけにいかないから…悪いがメールで…」(進)
  <了解…ただの自然現象だといいんだけどね…以前、同じような事が
   あった時は戦斗衛星の異常な電波が原因だったから…>(相原)
  「それを突き止めたのは…」(進)
  <真田さんですよ。ノイズに気付いて…真田さんに調べてもらいました。まぁ
   こちらの事は任せて安全に帰って来る事を優先してくださいね。>(相原)
  「ありがとう。」(進)

敬礼しながら相原の画像が消えた。進は妙な胸騒ぎを覚えながら通信室を出た。









作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 3 作家名:kei