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yamatoⅢ 太陽制御の後で 5

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  「なぜ…ここに呼ばれたか分かっているか?」

議長が美樹をじっと見た。美樹は眼を見られて恥ずかしくなり目を伏せて首を振った

  「分かりません。」

小さな声で答えると議長が少し大きな声で話し始めた。

  「キミと古代艦長のうわさが流れていてね…余りよろしくないので真相を
   確かめようと思い呼び出した。どんな噂が流れているか知っているかね?」

議長の問いに美樹は“知りません”と答えた。

  「では…違っているかもしれないが最後まで聞いてほしい。まずイオから
   乗りこんだキミは毎晩古代艦長からコスモガンを使う射撃訓練を受け
   た後、毎晩みだらな行為を受けていた、と言う事らしいのだが…それに
   間違いはないか?」

美樹は驚いた。まさか軽い気持ちで言った事に尾びれ背びれが付いていたから…

  「え…えっと…あの…その…」

美樹はどう伝えたらいいのかわからなくなってしまった。自分はただ古代に押し倒されてキスをされた、好きだと言われたと言っただけだ。

  「間違えないのかね?」

議長が詰め寄る様な聞き方をして来た。

  「いえ…みだらな行為は…そんな大それたことは…まさかねぇ…」

美樹の顔は真っ赤だった。が、嬉しそうな顔になってしまうのえ慌てて下を向いた。

  「そんなに大きくなるなんて…いえ、そんな広まってるなんて…」(美樹)
  「では…そのような事はなかったのですね?」(議長)
  「え…なかったと言うか…なんというか…」(美樹)
  「あったんですか?あれば事の次第をきちんと説明できますか?」

議長が詰め寄ると女性が手を挙げた

  「すみません。」

議長ははっきりしない美樹にイライラした様子だった。

  「議長、相手は女性です。話の内容によってはこれだけの大人数相手に話
   にくい場合があります。私と二人で話をさせてもらえませんか?」

議長は手を組んで考えた。確かに議場に男性10人が並び女性は今声を掛けた一人だけだった。

  「香山くん、キミが責任持って林田の話を聞く、という事かね?」(議長)
  「はい、狭くてもいいので部屋をおひとつお借りできませんか?」(香山)

会議は一瞬ざわついた。確かに女性なら一番触れられたくない話題だ。

  「林田さんも…話してくれるかしら?」

美樹は息の詰まりそうなこの空気から脱出できるなら、と思い頷くとすぐに係員が控室の確保に走った。




  「どうぞ。」

香山がVIPの控室の扉を開けた。美樹はその中にはいったがキョロキョロしていると

  「ソファーに掛けて。今、コーヒー入れるわ。」

そう言ってコーヒーサーバーのスイッチを入れた。冷蔵庫にあった軟水のミネラルウォーターとコーヒーを取り出しセットしながら香山は美樹に話しかけた。

  「今、休暇中なんですってね。呼び出しちゃってごめんなさいね。実家に
   いらしていたの?」

香山は先程の雰囲気と違い柔らかい感じがした。

  「はい…実家と言っても千葉なのでたいして遠くないのですが…」(美樹)
  「実家は落ち着くわよね。後有給はどう使うの?」(香山)
  「学生時代の友人と会う予定でした。」(美樹)
  「そう、じゃぁ予定が組めなくなっちゃったわね。」(香山)
  「えぇ…しょうがないです。」

香山はやたら明るい美樹に違和感を感じていた。確かに最初、おろおろしていたが…本題に入る前にリラックスさせようと思ったが必要なさそうなのだ。

  (普通…緊張して何も話せなくなるか…嫌がって黙り込むか、よね。)

香山は何も感じないふりをして雑談を続けた。




  「どうぞ…コーヒーも入った事だし…本題に入りましょうか。」

さすがに香山が向かい合ってソファーに座ると美樹も緊張した面持ちになった。

  「ここには私以外いないから…緊張しないで。さっきみたいに…リラックス
   して。それと言いたくない事は言わなくていいわ。“黙秘権”じゃないけど
   それによって不利な捉え方をされてしまうかもしれない事だけは伝えて
   おくわね。」

香山の言葉に美樹は“はい”と答えた。
作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 5 作家名:kei