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yamatoⅢ 太陽制御の後で 7

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  「味の濃い物、薄い物…ひとつひとつじゃ栄養は足りないし味気ない。
   だけど一つのお皿に盛ってドレッシングをかけると一体感が出ておいしく
   なる…。今日は軽く塩を振ってるだけだけどこの野菜たちは進くんたち。
   今日のこの塩…ユキさんですよ。」

幕の内の言葉にユキが驚いた。

  「艦長はこの場合お皿かな?…真田から聞いてます。進くんが辞表を出した
   事…まだ誰も知らないみたいですが…ヤマトにユキさんは欠かせない人
   です。塩がないと料理の味、整えられないでしょう?」

そしてうどんを一口食べた。

  「私達生活班はこのうどんの汁です。完全な脇役ですがないと困るでしょう?」

ユキは黙って聞いていた。

  「ユキさんは“味付け”と“名わき役”、このふたつをいっぺんにやって
   たんです…進くんは“メイン料理”と“お皿”。人間体は一つしかあり
   ません。無理しちゃいけないんですよ。」

幕の内はそう言って笑った。






 



進はモリタが出て行った後すぐにクローゼットを開けた。ハイネックの部分が赤い戦闘班長の制服…

  (これを着て…ヤマトに向かっていいのか?)

前にクローゼットを開けた時、つい先日まで着ていた制服が懐かしくてつい手に取ってしまったが辞表を出したことを思い出してすぐに扉を閉めた。

  (沖田艦長…私はヤマトに戻る資格がありますか?)

再び手に取った制服に進の涙が落ちた



















  「先生、古代さんがいません!」

モリタの院内の携帯に看護士から連絡が来た。

  「今、検温に来てるんですが…いません。ベッドの上にパジャマが置いて
   あって…包帯も…まだ完全じゃないのに…明日には地下都市に移らなく
   てはいけないのに…どうしましょう…。」

看護士は慌てていた。モリタは落ち着かせながらこう言った。

  「あぁ、古代くんは身の回りの事を片付けたいと言っていたから外出許可を
   あげた。すまん、連絡していなかったな。」

さも自分のミスのように伝えると

  「連絡、ありがとう。」

と言って携帯を切った。





  「行ってらっしゃい…進くん。全てはキミ次第だ。」

モリタの手元には進の13才からのデーター(カルテ)があった。

  「よく頑張ったね。本当に頑張った…この戦いが終わって無事に再会でき
   たら一杯飲もうか。成人したキミとまだ飲んだことがなかったね。当時は
   絶対に助からないと言われていた。だけど私はキミの生きようとする力に
   賭けたんだ。キミは大きくなった…少し大きくなりすぎたけどね。私は
   応援する事しかできないけど…地球でキミを待っているよ。」

モリタの脳裏に自分の息子が過る

  「あの子の分も…」

モリタはユキに進が病院を抜け出した事を告げた。

作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 7 作家名:kei