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yamatoⅢ 太陽制御の後で 7

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ユキは進の部屋をノックした…が返事がなかったので扉を開けるとソファーに座ったまま眠っていた。ユキが声を掛けようとした時進の顔に涙の跡がある事に気付いた。

  (私…古代くんを追いつめちゃったかしら…)

ユキは追い詰められた進が夢で必死に母を探していた事を思いだした。

  (古代くん…私はここにるわ。あなたの苦しい気持ちを私に預けて…)

ユキはそっと進の手を取って自分のほほに当てた。








  「ユキ?いつからそこに?」

しばらくして進が起きた。

  「うん、ずっと。古代くんの寝顔、かわいいなぁって思ってみてたの。小さい
   時の写真とかわんないなぁ、って。」

暗い部屋でユキはじっと進の顔を見ていた。

  「ほら、寒いだろう?リビングに行こう。」

進がそう言ってユキの手を取って立ち上がった。

  「ユキ、さっきはごめん。」

進の言葉にユキが立ち止まる

  「不可抗力な事で後悔ばかりして…俺って進歩ないな。」

そう言って頭を掻いた。

  「だけどユキ、今回の航海はあの何が起きてるかわからない所に飛び込む
   んだ。俺も真田さんと同じ意見でユキは今回乗らない方がいいと思う。」

進が力強く言った。

  「あの時みたいに密航しないでくれな?」

進はくしゃくしゃとユキの頭を撫でる。

  「頭では分かっているの…だけど私もクルーの一員…一緒に行きたい…だけど
   古代くんの家族を産めるのは私だけ…って分かっているの…でも一緒にいたい
   気持ちの方が強くて…自分の気持ちをどう押さえていいか…」

進は自分が飛ぶ時にわがままを言うユキを見た事がなかったので驚いた。

  「いつも見送る時思ってた事…“行かないで、ひとりにしないで”って…
   だけどお仕事だから行かなきゃいけない…私がダダこねてケンカして飛ぶ
   のと気持ち良く送り出すのと同じ仕事をするなら気持ち良く仕事してほし
   くて言えなかった…わかってるの…古代くんが困る、って事ぐらい…だけど」

ユキの瞳に涙がいっぱいたまっていた。進は耐え切れずユキの唇を塞いだ。

  「判ってた…ユキが笑顔で送り出してくれる時だって本当は行ってほしくない
   って思ってる事ぐらい…だけど仕事だから…その分地球にいる時は出来る
   だけユキと一緒にいる時間を作ろうって思ってた。」

進の言葉にユキは頷いた。

  「知ってた…。」

ユキが進の眼を見て言った。

  「私、待ってるから…古代くんを待ってる。密航なんてしないわ。」

ユキがそっと進に体を預けた。

  「その代り…絶対帰って来て。」

ユキの瞳が揺れていた。必死に耐えているその姿を見て進は返事の代わりに優しいキスをした。















  「え?休暇はそのまま?」

朝食の後ユキは昨日の藤堂の伝言を伝えた。

  「もともと古代くんは航海の後の休暇だから、でしょう?」(ユキ)
ユキは進が入れたロイヤルミルクティを飲んでいた。

  「だけど心配なら真田さんのラボに行ってきたら?」(ユキ)
  「そうだな…後で連絡してみるよ。」

進はそう言うと自分の部屋に入り端末で真田を呼び出した。

  <大丈夫か?昨日ケンカしなかったか?>(真田)
  「大丈夫ですよ…それより私は休んでいていいのですか?」(進)
  <まぁヤマトのコーティングに2週間程かかるから…3日間休暇が出てる
   らしいじゃないか。ユキ孝行でもしてやれ。これから寂しい思いをさせる
   んだから…前払いでサービスしておけ。>(真田)
  「前払い、ですか。確かにそうですね…すみません、ではしっかり3日間、
   休ませてもらいます。」

進はそう言うと静かに頭を下げた。

  <そうだ、お前も大人になったな。>(真田)
  「え?」(進)
  <ちょっと前なら自分でチェックしないと!とか言ってたけどな…まぁヤマトは
   俺に任せてユキを頼むな。まだアザ、消えないのか?>

真田はユキが包帯していた事に気付いていた。

  「えぇ…痛みはないって言ってますが…。」(進)
  <そうか…まぁヤマトが戻ってきたら二人の結婚式の準備でこっちも忙しく
   なるだろうからな。>

真田の言葉にみんなが絡む事が前提だと進もわかった。

  「その時はよろしくお願いします。」

進は観念したように頭を掻いた。





作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 7 作家名:kei