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【腐】恋愛妄想疾患【亜種】

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翌週の外出日。台所でサンドイッチを切るアカイトの横で、メイドが水筒にお茶を詰めている。

「ねー、本当にいいの? あたしのことなら、気にしなくていいんだよ?」
「いいって。ほら、そろそろバスの時間だろ?」

アカイトに促されて、メイドは壁の時計を見上げた。

「まだ大丈夫よ。たまには、アカイトだって羽伸ばしてくればいいのに。いつも外出日には残ってるじゃない」
「別に用もないし、人形が主人なしでふらふらする訳にいかないだろ」
「アンバー様の人形を誘えばいいじゃない。最近、仲いいでしょ?」
「えっ」

ぎょっとして、アカイトは手を止める。メイドは構わず、ハムの切れ端を摘みながら、

「二人で町に行ってくれば? 女の子に声掛けてさ。二人とも綺麗な顔してるから、お茶くらい付き合ってくれるわよ」
「馬鹿なこと言ってんな。ほら、これ持ってけよ」

サンドイッチの包みを渡され、メイドは目を丸くした。

「え、いいの? 怒られない?」
「大丈夫。サーモンは、アンバー様はあまり召し上がらないから」
「あ、今日、アンバー様来るのね。オニキス様も?」
「来られるよ。今日は二人一緒だ」
「オニキス様って、ガーネット様に気があると思わない?」
「まさか。ほら、バスの時間」
「やだ! 走ってかなきゃ! じゃあねアカイト! サンドイッチありがとう!」

メイドが慌てて飛び出していって、アカイトは胸を撫で下ろす。
もし、彼女が自分とカイトとの関係を知ったら、どんな顔をするだろうか。

いつまで隠し通せるだろう・・・・・・。

その時のことを考えると、気が重かった。けれど、今更後戻りも出来ない。
考えても仕方がない、なるようになるさと、アカイトは自分に言い聞かせた。