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【腐】恋愛妄想疾患【亜種】

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台所に戻ったアカイトは、野菜の皮を剥いているカイトの隣に座った。

「悪いな、手伝わせちゃって」
「いいよ。今日は、アカイト一人だけなんでしょう?」
「でも、旦那様も奥様も、今夜は帰らないそうだから、そんなに大変じゃないんだ」
「そう? それじゃあ、ゆっくりしてていいかな」

カイトの腕が伸びてきて、抱き寄せられる。

「えっ、ちょっ」
「大丈夫だよ。こっちには来ないでしょう?」

耳元で囁く声がして、アカイトは頬を染めた。顔を見れなくて視線を逸らしていたら、柔らかな感触が触れる。

「ちょっ・・・・・・まずいって」
「どうして? 誰も入ってこないよ。しばらくは呼ばれないだろうし」

カイトの手が促すままに、アカイトは顔を向けた。青い目が悪戯っぽく笑い、強引に唇を塞がれる。

「んっ・・・・・・」

絡みつく舌と吐息が、アカイトの理性を溶かした。カイトの胸にもたれ掛かり、布越しの愛撫に身を任せる。

「はぁ・・・・・・あっ・・・・・・まっ、待て」

声を上げそうになり、慌ててカイトの肩に顔を押しつけた。

「駄目?」
「こ、これ以上・・・・・・無理」
「分かった。アカイトに嫌われたくないし」

カイトの手が、ゆるゆるとアカイトの髪を撫でつける。肩に顔を押しつけたまま、アカイトは呼吸を整えた。

「そういえば、ガーネット様の持ってたブローチだけど」
「うん? ああ、あれか」

アカイトが顔を上げると、カイトが思案するように首を傾げ、

「あれ、魔道具じゃない? アンバー様が似たようなの持ってた」
「えっ、どうなんだろう。旦那様は何も言ってなかったけど」
「うーん。どちらにしろ、すごく高価な物だよね? 保管には気をつけた方がいい」
「分かってるよ」
「あれが無くなったら、君はかなり不利な立場になるよ。以前のこともあるし」

カイトに言われて、アカイトは顔を強ばらせる。

「何だよ。あの犯人はもう捕まっただろ?」
「どうかな・・・・・・彼だけの犯行? 本当に?」

意味ありげな言葉に、アカイトが問いただそうとすると、

「アリバイ証言の為に、今夜はアカイトの部屋に泊まろうかな」
「ああ・・・・・・はあ!?」

驚いて声を上げるアカイトに、カイトは悪戯っぽく笑った。

「大声出すと、向こうに気づかれるよ?」
「なっ・・・・・・! ふざけんな馬鹿!」