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【腐】恋愛妄想疾患【亜種】

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ガーネットからの夕飯の誘いを丁寧に辞し、アンバーはカイトとともに、オニキスの車に同乗する。

「悪いね、運転手にしてしまって」
「気にするなって。どうせついでだ」

後部座席のアンバーは、ガーネットのブローチを思い出し、溜め息をついた。

「全く、女性はどうしてああも、宝飾品が好きなのだろうね」
「なんだ、あのブローチにまだ未練があるのか」

笑いながら聞くオニキスに、アンバーは曖昧な笑いを返す。

「あれは宝石なんかじゃない。魔石だよ。あの魔道具があれば、研究が大幅に進められるんだが・・・・・・彼女があの調子じゃあ」
「しょうがないさ。女性の手に渡ったことを悔やむがいい」
「まあ、他の誰かの物になるよりは、可能性があるからね」

未練がましく溜め息をつくアンバーに、オニキスはからからと笑った。


夜、ガーネットはいつも通りに、宝石箱を絵画の裏に作られた隠し金庫に入れる。
後ろで見ていたアカイトを振り返り、微笑みを浮かべた。

「まあ、どうしたの? そんな顔して。何か悩み事?」
「あっ、い、いえ。ただ、高価な物だから、隠し場所はそこで大丈夫かと思って」
「あら、どうして? いつも此処にしまっているし、今まで無くなったことなどないでしょう?」
「・・・・・・ええ、まあ」
「ふふ、アカイトは心配性ね。大丈夫よ、伯爵の屋敷に忍び込んだ犯人は、もう捕まったのですもの」

ガーネットの言葉に、アカイトは曖昧な笑みを浮かべた。
カイトの言葉が、どうにも引っかかる。

もし、犯人が複数いて、まだ捕まっていない奴がいるとしたら・・・・・・。

「どうかした?」
「え? あ、い、いえ。何でもありません」
「おかしな人ね」

ふふふと笑うガーネットに、アカイトは自分の不安を無理矢理飲み込んだ。