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【腐】恋愛妄想疾患【亜種】

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おやすみを言ってガーネットが寝室に上がり、アカイトは戸締まりを確認して回る。
メイドがまだ戻っていないことに気づいたが、裏口の鍵は持っているはずだし、ボーイフレンドと盛り上がっているのだろうと、気にせずに玄関の鍵を閉めた。
全て確認し終え、自室に戻っても、やはり気にかかる。

考えすぎだろうけど・・・・・・。

カイトが思わせぶりなことを言うからだと、八つ当たり気味に思い返し、ついでに昼間の秘め事まで思い出して、アカイトは一人、耳まで朱に染めた。

あーっ! 考えない考えない!!

ばふっと枕に顔を埋めて、じたばたともがく。それでも、思考は同じところに戻ってきてしまった。

・・・・・・カイトに会いたい。

向こうも同じように思ってくれているだろうか。離れている時間が永遠のようにも感じられて、アカイトは溜め息をついた。



アカイトがぐだぐだとベッドに転がっていると、ふと扉の閉まる音を聞きつける。

ん・・・・・・?

一旦は身を起こすが、メイドが帰ってきただろうと、再びベッドに横たわった。枕を抱え込んで、カイトのことを考えていたら、今度は扉の前を通り過ぎる足音が。

え?

メイドが持っているのは裏口の鍵だが、そこからメイドの部屋へ行くのに、アカイトの部屋の前は通らない。暗闇の中、意識を集中させるが、それ以上の物音は聞こえなかった。

気のせいか。

だが、昼間のカイトの言葉が気にかかり、アカイトはするりとベッドを抜け出す。杞憂だとしても、確認しないことには落ち着かなかった。



部屋を出たアカイトは、しばし廊下で立ち止まる。暗がりの先に目を凝らせば、ぼんやりと両側の壁が浮かび上がった。
そろそろと手探りしながら、隠し金庫のある部屋へ向かう。

『あれが無くなったら、君はかなり不利な立場になるよ。以前のこともあるし』

あのブローチは、かなり高価なものだ。
オパール伯爵夫人が盗まれた、魔道具のように・・・・・・。