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【腐】恋愛妄想疾患【亜種】

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到着した警官を迎え入れ、オニキスを引き渡し、裏口の鍵を奪われ縛られて茂みに押し込まれていたメイドを見つけ、詳しいことは明日以降ということで金庫のある部屋に鍵を掛け、泣きじゃくるメイドをなだめて部屋に行かせ、ガーネットの寝室へホットミルクを運んで簡単に報告し、労いの言葉を掛けられ、おやすみの挨拶をして自分の部屋に戻ったアカイトは、待ちかまえていたカイトに抱き締められる。

「うわぁ! ちょっ!」
「お疲れ様。前もって話しておかなくてごめんね。びっくりしたでしょう?」
「・・・・・・ああ。ガーネット様に頼まれたって、どういうことだ?」

アカイトの問いに、カイトはくすくす笑いながら、アカイトの首筋に顔を埋める。

「そのままだよ。ガーネット様から、珍しい魔道具を餌に罠を張るから、協力しろって言われたの。断れないでしょう? 僕のマスターの婚約者だし」
「・・・・・・その前に離れろ」

アカイトはカイトを強引に押しやると、ベッドに腰掛けた。

「罠? 何の為に?」
「オニキスを捕まえる為。ねえ、あの方は、周囲が思ってる以上に頭が良くてしたたかだよ。最初から見抜いてたんだ。オパール伯爵の屋敷に侵入した賊が、ただの駒にすぎないって」

その後に続くカイトの説明は、アカイトの理解を超える物だった。

要約すると、「ガーネットが自分に惚れていると思い込んだオニキスが、アンバーを陥れる為に人を雇って盗みをさせた」らしい。


「・・・・・・オニキス様が、ガーネット様に横恋慕してたってことか?」
「逆だよ。ガーネット様がオニキスに惚れてると思い込んだの」
「なんだそれ。ガーネット様が勘違いさせるようなことをしたってのか? まさか」
「そうだね。ガーネット様は、あくまで友人として接していただけだよ」
「じゃあ、何でそんなこと思い込むんだ」
「僕に聞かれても」

困ったようにカイトが微笑む。
アカイトは首をひねって、

「ガーネット様は、アンバー様と婚約してるのに」
「そうだよ。だから、婚約を解消させる為に、盗みの罪をマスターに着せようとしたんだ」
「・・・・・・むしろ、俺が疑われたんだが」
「そうだね。危ないところだった」

さらりと言われたが、二回ともカイトに助けられたことに思い当たった。

「カイトがいてくれたおかげで助かったよ。ありがとう」
「そう? 僕はガーネット様に頼まれただけだよ」
「でも、危険な役目を引き受けてくれた」
「アカイトを守る為だよ」

そう言って笑うカイトに見とれていたら、

「んー、でも、そうだ、ねえ」

カイトの腕がするりと伸びてきて、気がついたらベッドに押し倒されていた。

「えっ? ちょっ!」
「ご褒美が欲しいなあ。アカイトから」
「は!? ふざけっ」
「駄目?」

青い目にのぞき込まれて、アカイトは顔を背ける。自分の頬が赤く染まるのを意識しながら、カイトの肩に手を掛けた。

「・・・・・・分かった。目をつぶれ」
「うん」

相手がちゃんと言う通りにしたのを確認してから、アカイトはそろそろとカイトの首に腕を回して、頬に口づけた。

「えー、ちゃんと口にして?」
「うるせえ馬鹿! 贅沢言うな!」
「これでも我慢してるんだけど?」
「なっ! んっ!」

強引に唇を重ねられ、じたばたともがくアカイト。だが、諦めたように力を抜いて、カイトのなすがままになる。

「アカイトが好きだよ」

耳元で囁かれる言葉に、アカイトは首元まで朱に染めて、

「・・・・・・俺も、カイトが好きだ」

小声で呟いてから、目を閉じた。



早朝、カイトからの電話を受けたアンバーは、身支度もそこそこに、車を飛ばしてガーネットの元へ駆けつけた。
まさかオニキスがとか、何故カイトに頼んだのかとか、困惑や疑問は、玄関で出迎えてくれた婚約者の無事な姿の前に、全て吹き飛んでしまう。

「ガーネット! 君が無事で良かった。恐ろしい目に遭わせてしまって、君のお父上になんとお詫びすればいいのか」
「あら、どうしてあなたが謝る必要があって? 来てくれて嬉しいわ、アンバー。朝食はまだでしょう? アカイトが、あなたの分も用意してくれたから」
「ああ、カイトからの電話で、飛んできたよ。ところで、何故彼が、君の屋敷にいるんだい?」

ガーネットは微笑みながら、アンバーの腕に手を添えた。

「私がお願いしたの。ねえ、詳しい話は後にしましょう? せっかくの朝食が冷めてしまうわ」
「そう、そうだね。君が無事だと分かったら、急に腹の虫が騒ぎだしたよ」
「ふふ、私もよ。さあ、こちらにいらして。あなたは、マーマレードはお嫌いだったかしら?」