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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 14

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 巨大な剣の形をしたエネルギー体はパイロヒドラを刺し貫くと同時に大爆発を起こす。大爆発の中で魔物は塵と消えていった。
「うっしゃ!いっちょあがりだぜ!」
 ジェラルドは喜び、手をグッと握った。
「シン達はどうだろう?」
 ロビンは少し離れた所で戦う彼らに目をやった。
『チルドアース!』
 メアリィのエナジーにより、パイロヒドラの下の地面が凍結した。これにより魔物をそこへ拘束することができた。
「今ですわ、イワン!」
 イワンは刀、菊一文字を手に魔物へ向かっていった。
 パイロヒドラは拘束されているとはいえ、反撃する余地はあった。そして本能のままに向かってくる敵へと牙を剥く。
――行きますよ…!――
 イワンの刀に秘められた力が解放され、脈動し、唸りを上げた。
 イワンに菊一文字の化身の姿がかぶさった。長い銀の髪に白装束、そしてその顔には天狗の面があった。
 イワンが化身を動かしているのか、化身が彼を動かしているのか、傍目からは分からないが、流れるように弧を描き、魔物の牙を受け流した。そして体を一気に半回転し、がら空きの弱所に必殺の一撃を加えた。
「秘技・修羅の舞!」
 イワンは魔物を斬りつけながら魔物の背後へと回った。そして菊一文字の化身は姿を消した。
 全てがまるで舞い踊るような一撃はパイロヒドラに有効打を与えた。
「やるな、イワン!よし、オレ達も続くぞ!」
「はい、兄様!」
 シンは一瞬にして魔物へと距離を詰め、それと同時に三体の分身を作り出した。
「四方烈風刃!」
 風と共に四方から分身と共にパイロヒドラを斬りつけ、そして魔物は舞い上がった。
 傷だらけの魔物は空中でなすすべなく叫びを上げるだけだった。
「今だ、とどめを刺せ!」
 シンはリョウカへと叫んだ。リョウカの方はもう既にその準備は済んでいた。
 刀にエナジーを込めると、炎の力でそれは赤く輝いた。その瞬間、リョウカは大きく踏み出し、刀を抜きはなった。
「炎龍刃!」
 赤く輝く刀の刀身から炎が巻き起こり、そして炎は龍の姿と化した。
 炎の龍はパイロヒドラを噛み砕き、自身の炎で焼き尽くした。パイロヒドラは消し炭も残らず、燃え尽きた。
「ふう…」
 リョウカは刀を納めた。
 ポセイドンの配下はそれぞれのチームの連携により、打ち砕かれた。
 配下を打ち倒したことで残るは敵はポセイドンただ一人であった。
「ピカード!」
 ロビン達がピカードの元へ駆け寄った。
「ロビン、みんな!」
「奴の手下どもは討ち取った。後は俺達も手を貸す」
 ガルシアは言った。
「一体奴は何をしてやがるんだ、どうしてお前は立ち尽くしてたんだ?」
 シンが訊ねた。ポセイドンは相も変わらず地に槍を突き刺し、邪悪な念を放っていた。一見すれば隙だらけである。
「あいつが念じ始めた瞬間、こちらの攻撃が一切通用しなくなったんです。エナジーすらも効かない…」
「何だと!?」
 ふと、ポセイドンは邪悪な詠唱を止めた。邪悪なオーラが彼を纏っている。
「待たせたな、猪口才な人間どもよ。我がしもべを倒したことは賞賛しよう…」
 ポセイドンはどす黒い邪悪に満ちた波動を放った。
「だが、これで終わりだ。我が真の力をもって貴様らを粉微塵にしてくれようぞ!」
 ポセイドンのオーラが彼を包み込んでいく。
「ちきしょう、させるか!」
 シンは一気に距離を詰め、ポセイドンを斬りつけた。しかし、その白銀の刃はまるで岩でも打ったかのように弾かれた。
「岩だって切り裂くはずのオレの剣が効かないだと!?」
「だったらエナジーだ!いくら奴でもみんなのエナジーを受けたら効くはずだ、行くぞ!」
 ロビンが言うと全員が全てを込めたエナジーを放った。
『レイデストラクト!』
 シバとイワンは同じエナジーを一緒に出し、巨大な磁気嵐を巻き起こした。
『チルドマウンテン!』
 ピカードとメアリィの氷のエナジーが刃となってポセイドンに襲いかかった。
『フレアウォル!』
 ジェラルドとジャスミンの炎が迫る。
『ルーク・ファイエル!』
 リョウカは自らの炎を最大限に増幅し、それを放った。リョウカから光線となった炎がポセイドンへと降り注いだ。
「行くぜガルシア!」
「ああ、行くぞ!」
 ロビンとガルシアは共に力を合わせた。剣を脇に置く、という構えを同時に行い、剣に力を込めた。
「はあああああ…!」
 気合いと同時にロビンとガルシアは放った。
『ダブル・ラグナロック!』
 二つの巨大な剣の形をしたエネルギー体がポセイドンへと突き刺さり、爆発を起こした。全員のエナジーも相まって、爆発は巨大なものとなった。
 そのような巨大な爆発に巻き込まれては、さしものポセイドンであれど無事で済むはずがなかった。
「どうだ、ポセイドン!?」
 ピカードは半ば勝利を確信しながら言い放った。
「ふはは…、なかなかに面白い余興であったぞ!」
 真っ黒なオーラの中からポセイドンの声が聞こえた。
「何!?あいつ、まだ無事なのか」
「さあ、小細工は終わりだ虫螻どもめ!」
 邪悪なオーラはその大きさを変え、巨大な球体と化した。その中から真のポセイドンの姿が露わとなっていった。
 荒れる海の激しい波を表しているかのような、薄い水色のうねる髪、同じく長い口髭に顎髭、金剛が如き体躯はさらに逞しいものとなっていた。
 これまではピカードと比較しても大差ない身長であったが、人間では到底及ばないほど巨大化していた。
 脚が無くなり、下半身は魚のそれと同じように、鋭い鱗に覆われ、巨大な尾鰭を持っていた。
「さあ、もうお遊びは終わりだ。一気に、そして粉々に砕き散らしてくれるわ!」
 ポセイドンは大声を上げると、自らのもつ力を見せしめた。
「タイフーン・ブロウ!」
 手にした矛先から大量の水泡を乱噴射した。
 ロビン達は散り散りになって逃げ回った。しかし、その全てをかわすことなどできなかった。
「がっ!」
 水泡に足を取られ、ガルシアは転倒した。
「ガルシア!」
 ロビンが助けに入ろうとした。
「受けてみよ、海王の一撃を!」
 ポセイドンは巨大な渦を巻き起こした。激しい渦の回転によって、水の勢いはとてつもなく、岩も鋼も砕こうと言うほどの一撃であった。
「ぐああああ!」
 ロビンとガルシアは地に伏した。
「ロビン、兄さん!」
 ジャスミンは叫んだ。
「ポセイドン、貴様!」
 シンは怒りに任せて分身とともにポセイドン目掛けて突っ込んでいった。
「斬!」
 シン本体は直進、分身二体は十字にポセイドンを斬り、抜けていった。しかし、見えない力で刃が弾かれた。
「何!?」
 ポセイドンはニヤリと笑い、隙だらけのシンへ槍を振り回した。
「ぐわあ!」
「兄様!」
「来るな、リョウカ!」
 槍で突き刺されはしなかったものの、強力な打撃を受け、シンは顔をしかめながら叫んだ。
「奴め、まだ妙なもん纏ってるみたいだ…」
 シンに叫ばれ、リョウカは半分ほど抜いた刀を止めた。
「まさか、結界!?」
「ふはは…、察しがいいな、赤い女。その通り、私には結界がある。どんなものでも弾き飛ばす結界がなぁ!」
 ポセイドンは再びタイフーン・ブロウを放った。防戦一方である。