G Generation Guardian
戦場に舞い降りたネロとZ-01であった。ネロは敵が固まっている隙に機体で蹴りを放ち、メタルクロスガンダムを弾き飛ばした。
ヒロトの「勝算」とは正にこれの事であった。先ず秘匿通信をネロに送り、合流ポイントを指定。ヒロトはリンギーリンの攻撃を受けながらもそのポイントへ向かっていたのだ。
「気をつけなよ、ネロ君。奴は「ミノフスキードライブ」搭載機だ。」
「問題無い。」
「一機増えようと同じ事ダアアアア!!!!」
メタルクロスガンダムは今度は標的をZ-01に標的を変え、高周波ブレードで斬り掛かる。超高速機動に加え、変則的な軌道を描く機体は、常人では目で追うことすら困難だろう。しかしネロは動じる様子も見せず、唯敵を見据えていた。そして彼は、或るシステムを起動する。
______PROTOTYPE “ZERO SYSTEM”・Ignition.
その時、Z-01を取り巻く雰囲気が一変した。
視覚的には全く変わらないが、その機体が放つ「殺気」と言えば良いのか。それが否応なしにこの場にいる人間に伝わっていく。
「シネェェェエイ!!」
リンギーリンは本能の赴くまま、機体の高周波ブレードを振り下ろす。しかし、彼は直ぐに違和感を感じ取る。この最大加速で繰り出した一撃だというのに、「手応えを感じない」。つまり外したのだ。現に、一瞬前までそこにいたZ-01の姿は無い。
「何処へ行ったァ…!」
リンギーリンは全神経を集中させ敵の襲来に供えるが、気味が悪い程の静寂に彼の平静さは著しく削がれていた。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん