G Generation Guardian
「サァ、サァサァサァ!!お前のチカラはそんなモノなのか?だったらがっかりだぞ!」
最大加速のメタルクロスガンダムを駆りながら、余裕の表情を見せるリンギーリン。機動性能や反応速度はファルシュのそれを大きく上回っており、それを活かして次々と攻撃を繰り返していた。ヒロトも応戦し攻撃を受け流すが、少しのダメージが徐々に蓄積しており、コンソールには各部が損傷しているとアラートを示していた。
「遊んでいるのか…性格が悪いねえ。」
『そのお言葉、そのままお返しします。ですがヒロト様、その様な事を言っている場合ではありませんよ?』
「判ってるさ。でも俺が得意なのは情報戦や奇襲とか不意打ちなんだ、コイツとは相性が悪いんだよ。大体俺はサラリーマンなんだ。多くを求められると困るんだよ。」
よくもまぁこの状況でそれ程ひねた事を言える物だ、とAIは呆れを通り越し、言葉を掛けてやる事も躊躇われた。しかし、これだけ不利な状況で精神的に余裕があるという事は「勝機」はなくとも「勝算」はあるのだろう。
「もうそろそろだね…。」
「何を言っているうううううう!!!!」
今だに余裕を見せるヒロトに腹を立てたのか嬲る事は止め、再び最大加速で高周波ブレードで斬りかかる。今のファルシュではこの一撃は受け止められない。
「死ィイイねェエエエエエ!!! 」
______ジャストなタイミングだよ。
「!?!?!?」
リンギーリンは己の機体の異常を感知する。あと少しで相手を両断出来るというのに、その腕はファルシュの直前で止まっている。いや、機体の異常では無い。目の前、ファルシュでは無い何かが高周波ブレードを受け止めているのだ。
「お前は自殺志願者なのか?」
「いやだなぁ、「信頼」してたのさ。」
そして、「何か」はリンギーリンの前にその姿を現した。
「ナンダ、ナンナンダお前は!!」
「ネロ・シュテンベル。今はブラックロー運送の従業員だ。所属不明機。これを此方への敵対行動と見なし、破壊する。」
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん