G Generation Guardian
リトルグレイには無い気持ちの良いベッド、そして木で出来た天井がトビアの目に映っていた。気絶したことは情けなく思ったが、それでも彼女___ベルナデットの方が気掛かりであった。
「ありがとうございます、シリウスさん…ネロ。」
「情けない。U.C.130年代のエースパイロットがこのような体たらくだとはな。」
「言うなよ。オレだって只の人間なんだからさ。…それより、ベルナデットは? 」
「彼女なら…あの女の身体検査を行っている。」
「ったく、短い間に色々あり過ぎなんだよ…お前の事もそうだし、助けた人間がベルナデットの母さんなんてさ…」
コロニー内の施設の医務室では、ベルナデットが「エウロペ・ドゥガチ」の身体検査を行っていた。
「ごめんなさい、母様。こんな恥ずかしい事を…」
身体検査とは、文字通り衣服や身につけた物に何かを仕掛けていないかを調べるものだ。よって必然的に、エウロペは裸になり検査を受けなければならなかった。
「構わないさ。昔一緒にお風呂に入ったこともあるだろう?それに、昔と同じ「エウロペ」でいい。」
「うん…。」
「だが、生きていたのなら何故木星に戻らなかった?」
「え…」
「…いや、忘れてくれ。これは私の希望的観測に過ぎない。」
その時、医務室へ向け二つの足音がとても早く聞こえて来るではないか。今医務室へ入られたら、エウロペのあられもない姿を他の人間に晒してしまうことになる。女性ならまだしも、男性ならば最早事案である。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん



