G Generation Guardian
「エウロペ、これを着て!!」
ベルナデットは患者用の衣服を着用するように指示し、エウロペもそれに従いその服を着ていく。簡単な衣服のため、袖も簡単に通すことが出来た。程なくして医務室の扉が勢い良く開けられる。
「どうしたの、ベルちゃん、それとフォント君!」
ベルナデットの目の前には息を荒らげたベルとフォントの姿があった。怪我がある様子も無いが、異様に急いでいるように見えた。
「トビアさんの騒動の後、貴女達が医務室へ向かったのを見るとベルが急に走り出して…」
フォントが息を切らしながら説明をし、それを聞いていたが、変だと感じたのはベルの様子である。目に涙を浮かべ、怒りと悲しみが混じったような表情で此方を見ている。
「…ったの。」
「え…? 」
「あのお姉さんが、お姉ちゃんのことを「テテニス」って言ったの!私は…「ベルナデット・ドゥガチ」、エウロペ木星帝国の女王「テテニス・ドゥガチ」の娘!!お姉ちゃん…いや、「お母さん」、私に嘘をついていたの…?」
「嘘…ベルちゃんが、私の子供なの…!?」
「なんとか言ってよ!お母さん!!」
「わ、私は…」
いきなり突き付けられる現実に、ベルナデットは混乱の中にいた。義母とは思いがけない再会を果たし、居る訳が無い自分の「子供」が目の前で訴えている。どうにかなってしまいそうな気分だ。
「落ち着くんだ、ベル!!……ベルナデットさん、全てを話します。」
「フォント君…?」
その二人の間に、フォントが割って入る。余計な事は黙っていた方がいいと口を紡いでいたが、こうなれば話す他無いと考えた。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん



