G Generation Guardian
「…終わったな。」
センナは静かに呟く。先ほどまでの様な動きは無くなり、辺りは静寂を取り戻していた。自分の相棒、ブレイドは少し息を荒げていたが、気にするほどではないだろう。彼は人に心配されるようなヤワな身体はしていない。
「ああ…。」
息を整えながら、ブレイドはセンナの声に応えた。落ち着いたところで、まずは情報の整理と取得だ。動かなければ、自分達が今どのような状態にあるのかなど掴 めるはずもない。ブレイドは緩んだ手に力を入れ、再び操縦桿を握る。何にせよ、ここにいるのは得策ではない。このMS部隊を撃破したことは程なく本隊の耳 に入る恐れがある。自分達がここで戦闘を行ってしまった以上、せめてこの場所から出来るだけ離れる必要があるのだ。
エクシアブレイズのGNドライヴに灯が入り、機体後部から粒子を放出させつつ前進を始める。機体は少しずつ加速してゆき、先ほどの戦場は遠く離れていく。
「…ブレイド、さっきの話やけど…」
「ああ、話せよ。今は右も左も解んねえんだ。…まず気になるのはあの敵だ。」
「GN- Xとアヘッド、あと緑の奴か?…確かにな。疑似太陽炉搭載機の色…あれは確実にアロウズのもんや。でも、解体後にはあの色のMSは存在せえへん。おまけに 緑のやつはGN粒子を放出してなかったし、外見から見ても「違う技術」が使われとるのが解る。まぁ性能は恐るるに足らずやったけどな。」
二人が気がかりになっていたのはMS。アロウズ仕様のGN-Xとアヘッドなど、[ELS戦役]後 の地球に存在していることは考えにくい。CBがアロウズとの一通りの決着を付けた後、地球連邦の新政権はアロウズが隠ぺいしていた問題を次々と浮き彫りに させ、解体に追い込んだ。世論のイメージの事を考え、GN-X?は正規軍仕様に変更され、アヘッドに至っては次世代機「GN-X?」の配備を名目に生産を 中止された筈の機体だ。それがこのような形で会遇など、不自然という以外にどのような言い方があるのか。
それに緑のMS。GN粒子を放出していないことから動力は化石燃料なのだろう。正確な性能は測りかねるが、量産機としてある程度のスペックは確保しているのだろう、と推測した。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん