G Generation Guardian
「派手に打ち負かされた様だな、リンギーリン。」
アドラステアのブリッジに佇む軍服を着た男は静かな笑みを浮かべながらそう言った。
「チッ…今回は少しイレギュラーがあっタだけダ!次は上手くやる!」
リンギーリンは戻るなり痛い所を突かれ、悪態をつく様に男に言葉を返した。彼の機体、「メタルクロスガンダム」は四肢の殆どを欠損し、正に大破。直ぐには再出撃もままならぬ状態まで追い込まれた。もし、あの場にネロ、そしてZ-01が居なければ彼の機体はここまで損傷することも、敗走する事も無かったかもしれない。
「弱い者虐めの様な戦いをして来た貴方が誇るんじゃないわよ、叢。」
ブリッジの艦長席に座る女性は、男…叢を嗜める様に言葉を投げる。「叢」。リンギーリンと同時期に地球に襲撃を仕掛けた「イフリート改」のパイロットだ。バルチャー集団「ギルド」のMSを壊滅させ、レイの友人の命を奪ったのも彼だった。
「だから相手に合わせた機体を用意した。」
「その時点で敵を奢って見下しているのよ。素人ばかり相手にしたから良かったものの、あの「赤い奴」を相手取っていたらどうするつもりだったの?」
叢の返答に更に女性は反論する。叢は剣を交えなかった「赤い機体」。しかし、それはエクストリームガンダムtypeレオスを指している訳でも、アストレイレッドフレームを指している訳でもない。この二機が相手ならば叢は一刃の下に伏せる事は可能だっただろう。しかし、もう一機「赤いガンダムエクシア」は違った。まるで恐怖など感じていないかの様に、無数の弾幕が張られていようが構わず、寧ろ自らを的にして敵機を瞬時に薙ぎ払い、撃ち抜いていた。その鬼神の様な戦いぶりは畏怖の念を感じざるを得なかった。
本来の乗機ならともかく、イフリート改であの機体に挑もうものならば斬り捨てられていたのは叢の方だったかもしれない。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん



