G Generation Guardian
「…落とした…!」
ハヤトは敵機の撃墜を確認すると、今まで忘れていた呼吸を再開し大きく酸素を取り込む。正に無我夢中、己の全力で戦っていたのだ。意識しなくとも心臓の鼓動が聞こえる。眼は瞳孔を開いたままだ。それほどの緊張状態にあったのだとハヤトは今理解した。そんな時、彼に通信が掛かった。
『よくやっている様だな、ハヤト!』
その勇猛な声と共に現れたのは隊長とスラッシュザクファントムであった。彼の機体は敵機のオイルを浴びており、まるで鎧に返り血の付いた歴戦の戦士の様な風貌を示していた。左肩のシールドが破損しているが、まだ戦闘に支障は無さそうである。
「…はい!…まだ、いけます!」
息を切らしながら、腹から声を絞り出す様に発して返答する。自分はこれだけ息を乱しているのに、隊長の声からはとてもそのような様子は見られない。これが「新兵《ヒヨッコ》」と「古参兵《ベテラン》」の差なのだと直感した。
『他の者も奮戦している。もう少しで我々の…』
________我々の、何だって?
その瞬間である。
「ハ、アァアァアアア!!!!」
「隊長ぉおぉおぁおお!!!」
隊長に随伴していた僚機が突如として爆発を起こしたのだ。
余りの一瞬の出来事に、その場にいた全員が言葉を失う。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん