G Generation Guardian
たった二機のMS。
一つは赤、一つは白の機体。恐らくC.E.に生きていた軍人ならば知らぬ者はいないだろう。
巨大なリフター「ファトゥム-00」を備えた「ジャスティス」。
大きく蒼い翼を携え、圧倒的な火力を備える「フリーダム」。
どちらも第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦において圧倒的な戦果を上げた機体だ。しかし、ジャスティスはその戦いで自爆、フリーダムも大破したと言われている。軍で新たに生産されたという話も聞かない。しかも良く見れば、二機共細部が異なっている。それならば、あの機体は何なのだ?ハヤトの頭からは疑問が尽きなかった。
「…貴女ならば、一撃で仕留められた筈です。何故腕だけを?」
ジャスティスのパイロットが、フリーダムのパイロットに対し通信を掛けた。ジャスティスのパイロットは若い男。狐の様な色の髪が特徴的である。
「…敵であろうと、むやみに命を奪いたくはありません。戦闘能力のみ奪い、撤退してもらいます。」
そう返したフリーダムのパイロットは、若い娘であった。外観年齢ではハヤトより1,2歳上はといったところか。容姿は端麗であるが、どこか「冷たさ」を感じさせる口調である。彼女は機体の翼を展開すると、ハルピュイアへ向け高速移動を開始した。
「正面からだと…ふざけてんじゃねえぞッ!!!」
ベルグは怒りを浸透させ、フリーダム目掛けゲイボルグの弾丸を発射する。その弾丸は迷うことなくフリーダムを貫かんと直進した。
「…」
しかし、彼女は迫り来る弾丸に対しどのような感情を浮かべる事も無く、冷静に機体を操る。彼女の操縦に対し、フリーダムはそれに応え「ラケルタ・ビームサーベル」を発振。まるで「居合抜き」の様に抜刀したのだ。
そして刹那_____。
フリーダムの背後で爆発が起こった。切り裂かれたゲイボルグの弾丸が行き場を無くし、果てたのだ。この一瞬の行動にベルグは驚愕した。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん