G Generation Guardian
「ゲイボルグを…超高速の弾丸を両断する、だと!?…面白ェ…コイツは、俺が潰す!!」
ベルグは機体を前進させ、ハルピュイアのアヌビスバエナからビームサーベルを発振し、突貫する。ハヤトの時とは違い、最初から最大出力でフリーダムへ襲い掛かる。
「疾い…でも、「それだけ」。」
彼女は機体を前進させることは無く、ラケルタ・ビームサーベルを収めただ敵を見据えた。
「貰ったァッ!!!」
二機の間がほぼゼロ距離に近付き、「間合い」に入る。そしてハルピュイアは左腕のビーム刃を振り下ろした。
「…今!」
その時、彼女は目を見開き、フリーダムに再び「居合抜き」を行わせたのだ。その抜刀はハルピュイアが刃を振り下ろすより疾く、その左腕を根元から斬り飛ばした。
「なん、だとぉ!?」
ベルグが驚愕するのも束の間、フリーダムはもう一本のラケルタ・ビームサーベルを抜刀。その刃はハルピュイアの頭部、右足、左足を瞬く間に切断してみせたのだ。
『これで貴方は戦闘続行は不可能となりました。…降伏してください。』
彼女はオープン回線で通信を掛け、降伏を勧告する。対してベルグは今までに感じたことのないほど大きな屈辱を感じていた。この命を取り合う戦場で、何故手加減をするのだ。何故敵を生き残らせるような真似をするのか、と。ベルグには到底理解が及ばなかった。
「とんだ甘ちゃんだな…まぁ、止めを刺さなかったのは感謝するぜ…!」
ベルグはコクピット内でコマンドを入力する。すると、機体のすぐ後方、空間を切り裂いて「輪」のようなものが出現した。
その輪に吸い込まれる様にハルピュイアは後退していく。
「させません!」
ジャスティスのパイロットはその光景を目の当たりにし、機体に携えたルプス・ビームライフルをハルピュイアに向け発射する。しかし、その攻撃が届くことはなかった。「光の翼」から形成されたビームシールドによって阻まれたのだ。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん