G Generation Guardian
「…誰?レイチェル?クレア?」
「ノエルさん!あの………ッ!!!」
ハヤトは言葉を発したかと思えば、口をあんぐり開け言葉を失いフリーズしてしまう。
「あなたは…。」
ノエルはハヤトの顔を見て、すぐに先程の戦闘で助けた少年であると認識したが、彼の尋常ならざる顔を見て困惑する。しかし、その理由は残酷にも次の瞬間判明することとなった。
「どうしてそんな顔を……!!!イヤァアアアアア!!!!」
そう、今ノエルはシャワールームで湯浴みをしていた所であり、インターホンに気が付いてタオル1枚を巻いて扉を開けたのだ。思春期がまだ抜け切っていないであろうハヤトには大層刺激的な光景であったに違いない。これに気が付いたノエルは羞恥のあまり悲鳴を上げ、屈んだと思えば固めた右拳をハヤトの顎めがけて振り上げた。
「…へっ?…ブハァッッ!!!!!」
ノエルの姿に気を取られて反応が遅れたハヤトは間抜けな声を出した後に勢い良く打ち上げられた。華奢な体からは想像もつかないような物凄い衝撃に為す術なく体が宙に舞い、頭から崩れ落ちた。当然ながら、ハヤトの意識は闇の中へと堕ちていく事となった。
「(…やはり心配で来てしまった…。)」
不安そうな表情を浮かべながら、フォックスはノエルの部屋に向かっていた。間違いは起きないであろうが、ノエルもたまに抜けた事をする。それによりアクシデントが起きていないか心配で、ならなかったのだ。
そして彼女の部屋の前にたどり着くと、フォックスは呆然とした。ハヤトは意識を失って倒れており、布1枚しか体を包んでいないノエルはその場でへたりこんでいた。不安が的中しため息を付くと、一言を漏らした。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん